両親
両親はいつもイチャついている。気が付くとベッタリと寄り添っている。でも良く見るとひっついているのは母親だけだ、父親はたまにウザそうな顔をしている。
俺は心の中でエールを送る。
…ふっ…災難だな。まぁ、頑張れや。
アイツは凄く変わっている。父はよくアイツと居られると思う。
アイツの言葉には主語が無い。なのに父はよく理解し会話を成立させている。
主語の無い話し方は、姉2号と弟に遺伝してしまった。
「イッサさん。アイツのどこが良くて結婚したと?」
「う~~ん」
父が唸っている。
そこ、悩むんだ…
「可愛いところよ。ねぇ~」
アイツが割り込んで来た。
あんな変わり者の女と良く一緒に居られるものだ。この家で一番の強者は、もしかしたら父なのではないかと思う。
家では両親共に何と呼んでも怒られない。
「おい」でも「こら」でも「お前」でも、例えば「ハゲ」でも、例えば「変態」でも。
…アイツの場合は、変態と呼ばれて喜んでいる様にも見えるが…
実に変わった両親だと思う。
友達の家では弟が「お兄ちゃん」と呼ばないだけでも、物凄く叱られるのだと言っていた。親の事を「お前」なんて言ったら、激怒するに違いない。
幸福な家庭に生まれて来たと思う。その点は感謝しなければならないのかも…
…だから、母親が変わっていても…大目に見るか…




