門限
友達と、ファミレスで食事をして帰る事に成った。ワクワクする。そう言う事を余りしたことがないのだ。
楽しい。
八時を過ぎた頃だった。
「あ~うぜぇ、帰って来いメールだ」
「俺も」
「あっ、俺も」
友達に帰って来いコールやらメールやらが来る。
でも俺には来ない。俺は帰って来なくても良いってか!俺を心配してくれないのか?
友達が羨まし………くない。羨ましく無いぞ!
「仕方無いから今日は帰ろうか」
と言う事に成り、お開きと成った。
暗い夜道を皆で帰る。一人じゃなくて良かった。
ホッ……
でも、こともあろうにその中の一人が怖い話しを始めた。俺が苦手だと知っているのに!!
あ~ こんなことなら一人の方が良かったかも…
やっと家だ!…着いた。ほっ…
「俺は帰ったぞ!」
最近は、ただいまの代わりにこのセリフを吐く。
「お帰り~」
「それだけ? 遅かったね。とかそんなの無い訳?」
堪らずに俺は文句を言った。
「は? 食事をして帰るって言ったじゃん。だから九時か十時ぐらいと思ってたのに、早かったじゃん」
姉達が遅い時には「早く帰れ」とか「今どこ?」とか「何してるの?」とか、しつこい位メールするくせに!
「皆には、早く帰って来いって何度もメールが来たのに、俺ん家だけ何も無かった」
「何? メールして欲しかったと?」
「う…ん…」
ううっ…これでは家族大好き少年みたいじゃん…
「あっ、でも俺ケイタイの充電切れてたんだった!」
「…メールしても意味ねぇじゃん…」
へへへっ…
「時太郎が帰って来たら煩く成った。やかましい」
俺はムッとする。
「家で一番煩いのは、計太郎やろ!!」
「うんん、あんまり変わらんし」
俺と弟が同等だと?あり得ん!
「本当、煩いよね」
ムムッ。何やその『居ない方が静かで良い』的な言葉…。
あ~、軽~く傷付いたぞ。
「俺、夜の町を徘徊しようかな」
「何時から?」
「………9時位から………」
「誰と?」
「流達と」
「ふ~ん。鍵持っていけよ。もう寝るから」
「…………」
「あんまり遅く成ると補導されるからね」
ううっ…心配してくれないのか
……悲しいような……
悲しくない!悲しくないぞ俺はっ!




