G・再び
「い゛~ や゛~ 」
「い゛~ や゛~ 」
「い゛~ や゛~ 」
お姉えみたいな声で、突然計太郎が叫び出した。
朝、俺はもう出掛けた後だったので、これはアイツに報告を受けた話しだ。
計太郎が座っている後ろから Gがノロノロと出て来た。
「どうした?」
アイツが言うと、左の床を指差し
「ゴキ…ゴキ…ゴキブリが~~~~」
かなりデカイのがノロノロと歩いている。
…俺が居ない間に奴の名を呼びやがって…後でお仕置きをしなければ…
指差す方を見てアイツが
「本当やね~あっ、でもハエ叩き棒…ここに無いしぃ~」
「あ~れ~、あ~れ~」
計太郎が今度は違う方を指差す。
その先には G スプレーがあった。
「あぁ、これが在ったね~」
スプレーを手に振り返ると、計太郎はノロノロな奴の後ろを追いかけていた。
「ちょっと待て。追いかけたら物陰に逃げるやろ?」
でもその Gは、寿命が近いのか急いで逃げるも、いつもの素早さが無い。
アイツはスプレーを手にし、奴に向けて噴射する。奴は懸命に逃げるが、トロイので仕留める事が出来た。
「…おれ‥もう…トイレにも行きたく‥無い…」
身体の力を抜き、ふにゃふにゃと座り込んだ。
朝から全力で叫んだ計太郎だった。




