くのいち
俺はサイレントウォークをマスターすべく、日々 努力を重ねている。
何故 取得したいかと言うと
忍び。殺し屋。探偵。みたいで格好良いじゃん。
気配を消すって言うのも格好良い。
中々上手く行かない。でもそれを、いとも容易くやってのける人が家の中で一人だけいる。
婆ちゃんだ!!
婆ちゃんはいつ移動したか解らない位サイレントウォークの達人だ。
ついでに言うと、気配も全く感じられない時がある。
俺は密かに婆ちゃんを師匠にする事にした。
目指せ! 婆ちゃんのサイレントウォーク&気配を消し!
この前、俺の通う学校でバーベキューがあった。
「婆ちゃんも行くんだからね」
と渋々承諾させ、皆で車に乗り込み学校まで行った。
早めに着いたので、アイツと弟は途中下車しリサイクルショップに立ち寄る。
こんな時でもマンガ読みたいのかよ!!
「婆ちゃんも来れば良かったのにね」
と言う弟にアイツは
「は? 何の話し?」
「今日、婆ちゃん留守番でしょう?来れば良かったのにね」
「……来てるけど……」
「えっ?」
「一緒に車に乗ってたじゃん」
「えっ!?…全然気付かんかった!!」
と、こんな会話があったらしい。
婆ちゃん、どんだけ気配消すのが上手いと?
一緒に車に乗っていたのに気付かない弟も、あれっちゃ~あれだけど…。
二人共、どんだけ~だよね!!
たまに、婆ちゃんが出掛けた事に気付かず「只今」と帰って来た時に
「エッ、出掛けてたの?」
って事がある。一度や二度では無い。
どんだけ気配消すの上手いと?もしかして…くの一? 的に凄い!!
凄い師匠だ!!
日々、観察を続けようと思う今日このごろだ!




