夢遊病
姉ニ号の性格は母親似。
今が楽しければ良いとか。ボケっぷりとか。主語が無かったり、話しの論点がずれていたりって言う処は似ている。考え方もそっくり。
でも性質が父親似なので、何でもスマートにこなす。料理やお菓子作りや、スポーツ、何でもそつなくこなす。
そこは、全てがドジなアイツとは違うところだ。
姉2号は、余りドジは踏まないのだが。こっちに引越して来た頃
……まぁ、被害に合ったのは殆ど姉一号だか……
夢遊病の持病が再発したのだった。
ある日姉一号は、真夜中にパソコンに向かい動画を観ていたらしい。
丑三つ時。何かの気配を感じ、恐る恐る振り返ると。既にベッドで休んでいるはずの妹が、ボーーーッと立っていた。
「……何してるの?……」
こわごわ聞いたら
不意に、ニタァ~~ッと笑い。自室に戻って行ったそうな。
そーっと部屋を覗いたら、何事も無かった様にスヤスヤと寝息を立てていた。
次の日、昨夜の事を聞いてみると
「知らない」
と、一言。
ぞぉぉぉっと寒気がしたと言っていた。
又違う日には、二段ベッドの上段で寝ていた姉一号が、何かの視線を感じ。上体だけ起こして足元を見てみるとベッドの柵の間から顔を出し、これ又ニタァ~~ッと笑う妹の姿。
ぞぉぉぉぉっとしたと言っていた。その行動もやっぱり覚えていなかったと言う。
姉二号が四歳位の頃は、布団に寝ていた筈なのに、突然起き上がってズボンとパンツを一緒に握り、下げたり上げたりを高速で数回繰り返し、バタッと寝たと言う前科もある。
まぁ、今思えば引越しのストレスが有ったのかもな~
とアイツが言っていた。
俺が体験していたら。
キャァァァァァッと、悲鳴を上げていたかも……




