悪霊?
俺と弟は
虫とあれが
怖い
真夜中、丑三つ時。おどろおどろしい声が、響いて来た。
「あぁぁぁ~~~~」
「おぉぉぉ~~~~」
「!!!」
怨霊か? 悪霊か?
妙に甲高く、不気味な声だ。
こえ~よ。何だよ一体。お化け出たのかよ。
両親共に熟睡しているようだ。
この声に気付いたの、俺だけ? 確認するのが、怖い、ような……
声は、どこから……?
目を動かして、確認すると……
「!!!」
……婆ちゃん?
婆ちゃんかよ! 驚かせんなよ! こえ~よ! どこからあんな高音出るんだよ!
声の出所を確認したから、これでゆっくり眠れる……
次の日。
「婆ちゃん。……寝言、言ってたね……」
あれは……寝言と言えるのか……
「本当?」
婆ちゃんが言う。
「こっちに来た頃は良く言っていたけど、夕べは久しぶりに言ったね」
父が言う。
「本当だね」
アイツも言う。
「何て言ってたの? 俺知らない」
弟は、寝ていたらしい。
怖がりな弟が起きていたらパニクってたかも……
お前が起きていなくて良かったよ……
それより、何だよ。聞こえてたんなら、動いたり、起き上がったりしろよ! 聞こえてんの、俺だけかと思ってビビったじゃん!
アイツが言うには。
寝言で、ガミガミ説教している事も有るそうだ。
かと思うと。夜中に突然、大音量で、ラジオが鳴り出す事も有る。一時して、アイツが婆ちゃんを起こして止めて貰う。
こんな感じで
婆ちゃんも、持っている人だった。




