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月刊宇宙人  作者: 牛方巴
3/9

生野拓登 1

「おい、拓登。金貸してくれよ」

「ああ、いいよ」

「あ、俺にも!」

「ああ、わかったよ」


「「サンキュー、拓登!必ず返すわ」」


 そういって返してくれた人は一人もいない。

 僕はお人好しで知られている。お人好しだから引き受ける。お人好しだから代理で怒られる。お人好しだから使われる。お人好しだから金も貸す。そして、お人好しだから返されなくても怒れない。

 

 お人好し。それが、僕の存在意義なのかもしれない。

 お人好しじゃなかったら、僕は影にかすんでいただろう。皆と親しくなれなかったろう。前はお人好しであることがいいことだと思っていた。


 でも、最近、そうは思えなくなった。

 物を運んでいる間。怒られている間。僕は、自分が何をしているかわからなくなる。

 これが仲いいってことなのか?違うだろう。僕は自問自答する。


 それで、次は貸さないぞって思っても、やっぱり貸してしまうお人好しだった。


 僕は「月刊宇宙人」を定期購読している。

 SFとか好きで、そのせいでいじめられていた。今は隠しているけど、ばらしたらまたいじめられるだろう。

 変わりたくて、強くなりたくて 月刊宇宙人を読んでいるとちょっと強くなれる気がする。


 今月の月刊宇宙人に、とんでもないことが書いてあった。

「宇津谷博士の大成功 強くなりたい君へ」


 思わず月刊宇宙人を握りしめてしまった。

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