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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らすんだ~  作者: 茶巾丸
第1章 魔王逃亡篇

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第7話 魔王は森の精霊を助けたい

村長から森の精霊ドリアードが行方不明になり大樹の入り口に強力な魔物が巣食っていると言うことでリブラと一緒に現地調査にきてみた。


森の周辺は空気が淀み怪しい妖気を放ち、その中に大樹がそびえ立っていた。

大樹は森の守り神と言うより命を食らう食虫植物のように周囲からのエネルギーを吸い取っているようだ。


「魔王の俺が言うのもなんだが大樹から禍々しい雰囲気を感じるな」


「何か闇の気配を大樹の奥から感じます」


「しかし魔物なんて見当たらないな、どこか他所に行ってしまったのか?」


「バル様!上です」


リブラが叫ぶと魔物が大樹の枝より飛び降りてきた。

ライオンのような身体にヤギのような頭を持った双頭の魔物『キマイラ』だった。

俺達の前に立ち止まった相手は唸り声を上げて精一杯威嚇してくる。


「キマイラか…確かに普通の村人ではなすすべもない魔物だな」


「この魔物は忌むべき存在です、バル様倒しましょう!」


キマイラは突如として口から強大な炎を吐き出し攻撃してきた。


「ひっ!!」


俺は魔王の持つ闇の闘気でキマイラの炎を余裕で防御した。

だが、何か今可愛い悲鳴が聞こえたような気がしたが…。


「リブラ?いま悲鳴あげたか」


「そそそ…そんな事無いですよ!気のせいです!多分」


リブラはいつの間にか俺の後ろに逃げ込んで明らかに動揺していた。

いつもしっかりとして落ち着いてる彼女がいつもと振る舞いが全然違う、もしかして火が怖いのか…?

そこで察した、なるほどよく考えたら彼女は本から生まれた魔族だった。


「リブラ…お前火が怖いんだろ」


「なんでバレたんですか!」


「いや、リブラは本から生まれた魔族だからな、火を本能的に怖がるのはしょうがない事だろ違うか?」


「ううう…そうです、実は大きい炎を見ると体が拒否反応を示すんです」


「そうか、ならとっととコイツを片付けよう」


俺は氷の極大魔法を唱え一撃でキマイラを仕留めると決めた。


「氷結の槍!サウザンド・アイス・スピア!」


魔法の詠唱とともにキマイラの周辺に大量の氷槍が出現する。

無数に現れた氷槍は魔物の周囲全体を取り囲み逃げ場をなくすような展開だ。


「貫け!槍達よ!」


俺が命じた攻撃の合図で大量の氷槍がキマイラの全身を貫いていく。

キマイラは最後の雄叫びをあげながらなすすべもなく絶命した。


「うむ、これくらいの魔物ならやはり楽勝だな」


「流石です!バル様!」


やっぱり最強魔王というだけであってその力は絶大だ。

当面の脅威を排除し安全となった大樹の中に二人で入ってみる事にした。


「行こうリブラ」


「はい、バル様」


大樹の入口から中に入ってみると中は広い空洞になっており、大凡10メートルほどの高い場所に緑色をした塊と大量の精霊力 (マナ)が周辺を覆い尽くしている。

そして塊の上に何らかの禍々しい妖気を放つ紋章のような宝飾品が取り付けられていた。


「リブラ、あの紋章のような宝飾品の正体が何かわかるか?」


「調べます、少々お待ちください」


リブラは本を開きサーチを開始した。

ページがどんどんと捲られあるページで止まると、答えが解ったようだ。


「わかりました、あの物体は『マグナフィア』という低位の魔物です、精霊に取り付き周囲から養分を吸い取る寄生型で恐らく大樹の異常行動はこの魔物が原因だと思います」


「では、コイツを破壊すれば大樹の異常行動は止まるのか…破壊しても問題ないか?」


「バル様、今破壊するのは危険です」


「どうしてだ?壊せば異常行動はとまるんじゃないか?」


「マナが長年滞留したことにより大樹のコアに限界を超えて精霊力が蓄積されています、このまま破壊すると膨大な力が周囲に放出されて過剰な栄養によりこの周辺一体が死の大地になる恐れがあります」


マナの解放でそんな弊害があるとは、思ってもいなかった。

ほんのちょっとの状況だけ見てここまで察する能力を持っている彼女の分析力は凄いと思った。


「なにか対策はあるかい?」


「ちょっと考えてみます…」


リブラはまた本を調べ何か対策が存在しないか調べているようだ。

しばらくすると何か解ったのか、俺に進言してきた。


「あの…一応見つかりましたが、バル様の力をお借りする事になりますがよろしいでしょうか?」


「いいよ、そんな遠慮しなくても、俺とリブラの仲じゃないか」


「わかりました、ありがとうございます」


「では、手順について説明します、私が大樹のコアとマナエネルギーを魔法障壁を媒介として、クリスタルの形…いわゆる結晶状態にして閉じ込めます。これで周囲に精霊力が飛び散ることも無く固定可能です」


「うん、それで俺は何すればいいんだ?」


「私のタイミングにあわせてあの魔物を破壊して欲しいです」


「わかった、それなら簡単だ、見た感じあの魔物は弱そうだから『魔王の波動』で簡単に握りつぶして破壊出来そうだ」


「では、準備します…少々お待ちください」


リブラはそう言うと腰にあるポーチからチョークのような物を取り出し、大樹のコアがある地面の下に何かの魔法陣を刻み始めた。

疑問に思った俺は魔法陣について質問してみることにした。


「リブラ、それはなんだい?」


「この大樹は根からこの周辺一体に精霊力を供給していたようなのですが、コアを閉じ込めるとそれが大樹の中で滞留してしまいます、その対策としてマナエネルギーの通り道を作って代用する回避策みたいなものです」


「よく考えているな、流石だなあ」


魔法陣を描き終わったリブラは準備が出来たようだ。


「では、バル様準備はよろしいでしょうか」


「いつでもどうぞ」


「では、いきます!魔法障壁を展開!」


リブラの掛け声で大樹のコア周辺に魔法障壁が現れた。

彼女は手で操作しながら魔法障壁の形を変えてクリスタルのように変形させていく。


「バル様!今です!」


リブラの掛け声とともに俺は魔王の手を発動して、魔物を掴み取る。


「魔王の手により砕け散れ!魔物よ!」


俺の叫び声により魔王の手に掴まれていた魔物が粉々に砕け散った。

魔物を破壊したタイミングをみてリブラがコアを結晶化して固めていく。

続けて何かの呪文を唱えていた。


「マナの力よ、魔法陣を媒介としてその力をつなげよ…」


リブラの言葉により光が魔法陣に降りていき、クリスタルと線で繋がるように結合した。


「これで大丈夫だと思います」


「うーん、さすがリブラは有能だな」


「お褒めいただきありがとうございます」


大樹の問題は解決したと思いひとつはクリアした。

だが何かが足りない、そうだ精霊ドリアードだ。

ここに閉じ込められているという予想だったが周囲を見回しても見当たらない。

念の為リブラに確認してみた。


「そういえばドリアードはどこにいるんだ?周囲にはいないようだが」


目的であるドリアードを探すため二人で周辺を探して見た。

それらしき精霊は見当たらないが突如としてリブラが呼びかけてきた。


「バル様!こちらに」


「どうしたリブラ?」


彼女のそばに寄ってみると大樹の壁に干からびた木が釘のようなもので打ち付けられ、その姿に服のような布が掛けられていた。


「これが…ドリアードか?」


「恐らくですが何者かに拘束されて、大樹にマナを吸い取られ干からびてしまったのではないかと…」


「もう死んでしまっているのか?」


「いえ、精霊は死にません…力を失ったり、肉体を破壊しても自然に回復しますが復活には時間がかかります」


「そうか、森と周辺の復元に協力してもらいたいから、元に戻してあげたいが…何か方法はあるか?」


「恐らくですがマナの力を補充してあげれば復活すると思います」


「そうか、俺に出来ることはなんだい?」


「木に打ち付けられていた拘束具を外して、その木を先程の魔法陣に連れてきていただけますか?」


俺は拘束具を外して先程の魔法陣にドリアードと思われる木を横に寝かせた。

リブラは精霊の復活のため魔法陣に手をあてマナを集め始め、復活の儀式を始めることにした。

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