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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らすんだ~  作者: 茶巾丸
第2章 魔王スローライフ編

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第13話 魔王は焼き芋の美味しさを広めたい

村に到着して十日間ほど経過した、到着早々色々とシリアスな展開があったが、村の復興が後回し気味になっていたので、一旦森の復興をリブラとリアに任せて、俺は村の食料事情解決に向けて進めようと考えていた。


リアから貰った作物の種で、一番成長が早いサツマイモがどれくらい育ったか調べる事にした。

掘り出したサツマイモは植えてから一週間位で実が大きく成熟していた。


たしかサツマイモって五ヶ月くらいで育つので一日で一ヶ月換算位の速度で育ってる。

マナの影響か異世界の作物なのかめちゃくちゃ成長早くないか?

これは、サツマイモの大量生産のフラグが立ったかもしれない。


埋まっていた芋の収穫をエルフの三人娘に手伝って貰ってどんどん掘ったら、なんと百数十本ものサツマイモが収穫出来た。これで量産体制が整えば、村の人達にたくさん食べさせることが出来る。

そんな中、取り終えた芋の山を見てエルフの一人リルムが問いかけてきた、


「魔王様、この作物はどうやって食べるのでしょうか」


俺は考えた、やっぱサツマイモと言ったら焼き芋でしょう。

あの甘さとホクホク感を異世界のみんなにも味わってほしい。


「これは色々食べ方はあるけど、とりあえず焼いて食べるのが一番かな」


「焼いて食べるんですね…そのまま焼くのでいいんでしょうか?」


「いや、ちょっとコツがあってな…ちょっと村長に相談してくるよ」


そう思った俺はどこかに窯焼き出来る場所がないか村長に尋ねてみた。

昔いた住人が使ってた焼き窯を備えた家があるらしくその場所を教えてもらった。


家に来てみると昔はパンでも焼いていたのだろうか、窯には鉄板が置いてあったので使えそうだ、後は薪にするために切り落として乾燥させていた木を用意して、焼き石の確保だ。

意外と近くに手頃な石が沢山あったので時間もかからず早めに準備が出来た。


「焼き芋を昔キャンプで作った時は、鉄板に石を引いて下から焼いたっけな、たしか弱火でじっくりと時間かけて水分を飛ばすと甘くなるはず」


学生時代に行ったキャンプで焼き芋を焼いて食べたことが役に立ちそうだ。

俺は死んでから異世界で魔王してるけど先輩達は元気にしてるかなあと感慨にふけってしまった。


「よし焼いてみるか!」


準備が出来た俺は、薪に火をつけてサツマイモを焼き始める。

弱火でじっくりと時間を掛けて、1~2時間位だが時計がないので時間の感覚が分からない。

焼き加減見ながら、じっくりゆっくりと焼いていこう。


しかし、異世界の最強魔王が石焼き芋チャレンジするなんてだれが考えるだろうか。

ちょっと自分で想像して笑ってしまった。


芋の焼き上がりを見ながら椅子に座って待っていたらエルフのルナリーが部屋に入ってきた。

俺が村にいる時に彼女は積極的に俺の近くに来て手伝をしてくれる。

なんで、ここまで俺の世話を焼いてくれるのか気になったので聞いてみた。


「なあルナリー、なんでお主は魔王の俺を色々助けてくれるんだ?」


彼女は自分の胸に手を当てて自信満々に答えてきた。


「先日、私は魔王様に命を救われました、だから魔王様に尽くすのは当然じゃないですか!」


「いや、そんなに深く考え無くてもいいよ、助けたのはただの偶然だったんだし」


「いえ!この命かけても一生魔王様に尽くします!」


尽くすと言い放った彼女は自分のセリフで何かを想像して顔を赤くした。

何かを想像しているのか体をくねらせながら恥ずかしそうに妄想している。


「一生尽くすとか重いって…いったいエルフの寿命何年だよ?」


「寿命ですか?だいたい3千年くらいですがもっと長生きする人もいます」


「めちゃくちゃ重いじゃねーか!断固拒否だ!」


「なんでですか!私の想い受け止めてください!ついでに伴侶にして国が作れるくらい沢山子供生ませるとも!」


「どさくさに紛れて何言ってるんだ!却下だ却下!俺の嫁候補はリブラだ!」


誰かに好かれて悪い気はしないがリブラ以外の女性を嫁にする気は無い。

俺はこの世界に来てプロポーズした女性はリブラなんだ、まだ承諾は貰ってないけどな。

断固拒否の姿勢を聞いて突然彼女は怒り出してきた。


「この鈍感魔王!絶対伴侶にして貰うんだから!」


ルナリーは怒って外に出ていってしまった。

会った時から喜怒哀楽激しい娘だと思ったが魔王相手にここまで迫って来る根性は大したものだ。

みんなまだ恐れている人もいるけどルナリーくらいズケズケと来てくれるのも何か楽しいと思った。


二人で会話していて時間が過ぎたのでサツマイモの焼き上がりを見てみた。

細い棒で差してみるといい感じに柔らかくなっていたので割ってみるといい感じに焼き上がってる。

自分で食べてみたいが肉体が実体じゃなく感覚も鈍いので多分食感もないだろう。

しょうがないので丁度外にいたリルムとエレーナを呼んで試食してもらうことにした。


「出来立てだから、半分に割ってからそのままゆっくりと食べてくれ」


二人は始めての食べ物に戸惑いながら恐る恐る焼き芋を食べだした。

しっとりとして黄土色になった実を口に入れてお互いを見合って驚いて声を上げる。


「なにコレ…めちゃくちゃ甘くて美味しい!!


「魔王様!すごく美味しいです!」


よしよし焼き芋はどうやら上手くいったようだ、それじゃあ一杯焼いて皆に食べてもらおう。


「あーっ!二人とも先に食べてズルい!!」


美味しい匂いにつられたのか、ルナリーが部屋に戻ってきた。

せっかく来たから振る舞ってあげようと思い彼女にも聞いてみた。


「ルナリーも食べるか?」


「食べます!食べます!!」


先に食べてた二人のように見た感じで焼き芋を折って食べる。

美味しかったのか物凄い勢いで食べている。


「んまい!甘くてうまいでふぉ!魔王さぶぁ!」


「お前、慌てて食いすぎだよ…」


焼き芋がエルフ娘たちに好評だったので、窯で沢山焼いて村人に振る舞うことにした。

仕事が終わったのか丁度リブラも戻ってきたので、彼女にも食べさせてみたらすごく喜んでくれた。


「バル様!これすごく美味しいです!」


俺が作った焼き芋は村人たちには大好評でもっと畑を増やしたいなと思った。

サツマイモをこの村の特産品にしてお金が稼げないかと村長に話したが難しいと言われた。

ドイネン村はガンギルス領地なので作物を勝手に他所に売ると色々問題になるらしい。


まあ、俺は魔王なのでそんな国のこと知ったことじゃないが国を通さずに販路開拓も考えないといけないし、売れる作物ももっともっと増やしたいので明日にでもリアに相談してみよう。


あとは作物を大量保管できる倉庫も作りたいが、建設に使う道具類がないし建設に長けた人物もいないので若干手詰まりだ。どこかに建設に詳しい人でもないもんだろうか。


しかしこういう生活いいなあ、仕事三昧でキツかった時代、こういう風にのんびり過ごす生活を望んでいたのだ。

魔王軍で人を苦しめるような悪逆非道な生活を過ごすのかと思ったが早々に逃げてきて良かった。

スローライフだっけ、もっとのんびり生活を極めたいと思っていた。


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