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転生最強魔王の引退物語 ~最愛の部下と田舎でのんびり暮らすんだ~  作者: 茶巾丸
第1章 魔王逃亡篇

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第10話 魔王は自分の正体を明かしたい

リアと俺は過去の記憶を共有するため、水晶に魂の姿を映し出した。

そこには前世のサラリーマン姿が映し出されてしまい、疑問に思ってるリブラとリアに対して俺は正体を明かすことにした。


「実はな、俺はこの世界の魔王と入れ替わりで他の世界から転生してきた人間なんだ」


リブラは俺の言葉を聞いて少し驚き更に疑問に思った事を聞いてきた。


「バル様が異世界の人間…いったいどこから来たのでしょうか?」


「俺は、この世界とは違う日本という国からやってきたんだ、異世界で死んだ時に魂の通り道という場所で魔王バルテオスに出会って、そこで自分と入れ替わってくれと願われてこの世界の魔王として転生してきたんだ」


リアはその後に続けて質問してきた。


「なるほど、それで最初は魔王として振る舞おうとした訳でしょうか?」


「そうだ、だけど魔王とは名ばかりでホント下っ端扱いだった。頭に来たので魔王なんか辞めてやる!て思って魔族を召喚できる能力が復活した時にリブラを生み出して一緒に城を逃げ出したんだ」


「バル様は、魔王城から逃げられないようになっていてそれを私が手助けしました」


二人の逃避行に話が逸れたところでリアが問いかけてきた。


「そうですか…それで魔王様はこの村に来て最終目的はあるのでしょうか?」


俺はリブラと一緒に脱出して辺境に住む事が目的だった。

エルフを助けてこの村を教えられてやって来たが、それは全くの偶然の重ね合わせで着いた後の事はあまり考えてはいなかった。


「とりあえず魔王は辞めたから、当面住居として決めた村の問題解決と森の復興だな、あとは皆がよりよく暮らせるようにこの村から変えていきたい」


会社員時代に仕事をしていたのもあるだろうか、問題が起きるとどうも解決したい性分が出てきてしまうようだ、それにこの地は自分が住居を構える場所になるんだから皆を助けたいと思っていた。

ただ、リアは魔王としての本文を成そうとしているのか思い尋ねてきた。


「それは、ここを拠点に世界征服を目論んだりするという事でしょうか?」


しかし、俺は断固として拒否する事を伝える。


「世界征服を狙ってどうする?もしそんな事を目的に動いたら沢山の人が死ぬ。ここに住んでる人達は明日を生きるので精一杯だ、みんなの生活の質を向上させて仲良く暮らしたい、そう思ってるよ俺は」


リブラは俺の言葉を聞いて静かに考えているようだ。

無理もない、魔王としての責務を無視して田舎でみんな仲良くのんびり暮らしたい。


彼女に魔族としての役目を放棄してずっと使えてくれと言っているような物だ、いや結婚してくれとは伝えたけどまだ返事は保留状態だからな。

しかしリブラの反応は以外なものだった。


「とても感動しました!私はバル様の目的達成のために助力させていただきます!」


目をキラキラと輝かせながら自分に向かって力説する彼女をみて若干圧倒されながら返事をする。


「お、おう…よろしく頼むよ」


希望を持ちながらこれからリブラと頑張って暮らしていこうと思った俺だった。

決意を決めた後にあとひとつ重大なことを忘れていた。


「あ、あともう一つ目的があった、魔王として元の体を取り戻したい」


今の体は実体化はしてるけど本当の体ではない、体が元に戻らないとリブラが伴侶になってくれたとしても子供も作れない体だと困るからだ。


「それでしたら魔王法衣の代替品として作った農作業服が闇のエネルギーを吸い取っていますので、時間をかければいずれ復活すると思います、数年かかると思いますが…」


「そんなにかかるの!?もっと早く出来ない?」


「魔王城でしたら数ヶ月で復活出来るでしょうが…戻る気はないですよね?」


「いやだよ、あんな所二度と戻りたくない」


「そうですよね、私も戻ったら逃亡を手助けしたと処刑されるかもしれないので同じ気持ちです」


復活に関して闇のエネルギーが必要だというのは解った。

少し気になった点があったのでリブラに質問してみた。


「例えば、そこの大樹にある大量のマナを復活の力に使えないかな?」


リブラは顎に手を当てて何か考えているようだ。

俺のアイデアに何か思うことがあったのだろうか、少し長考していた。


「バル様、精霊のマナエネルギーは光属性です。もしバル様に大量に流し込んだ場合、闇の力が消滅して存在自体が消えてしまう可能性があります」


「そうか、それではマナを活用するのは難しいか…」


「でも、土、風、火、水、雷の属性を扱える各々のエキスパートが揃ってマナを上手く調合出来れば、純粋な復活エネルギーに精霊力を変換出来るかもしれません、現時点では難しいですが…」


「聞いてるだけで難しそうな話だな、それなら自然復活を待ったほうがいいか…」


二人の会話を聞いてきたリアが話に割り込んできた。


「風属性なら私の得意分野です、何かお役に立てるかもしれません、あと水属性も心当たりがあります」


「そうかドリアードは木の精霊だから風に属する能力を持っているもんな、水にも心当たりがあるのか?」


「はい、こんど確認してきます」


「いきなり二人が揃いそうだけど、残りは三人か…まだまだ足りないな」


「そうですね、当面は現状のままで他にも何かいい方法があったらお伝えします」


「ああ、よろしく頼む」


俺の正体もこれからの事も全部理解してもらったから作業に戻ることにした。

だが戻る前にリアがリブラに突如として呼びかけてきた。


「リブラさんお話があるのですが、ちょっとよろしいですか?」


「なんでしょう?」


「魔王様、少し二人だけでお話してもよいでしょうか?」


「ああ、構わないよ、先に外で作業しているよ」


俺は先に出ていきリアとリブラを二人きりにする事にした。


──リブラ視点


リブラは、突如として二人で話があると聞いて、リアにどんな質問なのか疑問を問いかける。


「それでリアさん、質問と言うのははなんでしょうか?」


リアは心にある何かを確認しながら、気持ちを落ち着けて尋ねてきた。


「リブラさん、あなたは魔王様の配下で、闇の者なのですよね?」


「そうですよ、私は魔王様によって生み出された闇の従属です」


私は自身の正体についてリアへと告げた、だけどリアは納得していないようで、更に追求してきた。


「確かに貴方の体からは闇の力を感じています、ですがそれは表面上だけで貴方の中からとても神聖な力を感じるのです!」


「もしかして魔王様の配下というのは仮の姿で、貴方の正体は実は、て…」


リアが言いかけたところで、私は黙るようにリアの唇に指を当てて止めた。


「そこまでにしてください、私はバル様に生み出された闇の従者で忠実な配下リブラです。それ以上ではありませんよ、貴方が思っていることは何も知らない事にしておいてください」


リアは私から感じる謎の威圧に(ひる)んだのか大人しく引き下がった。


「は、はい…わかりました」


心の中でリアに自分自身の正体を見破られそうになった事について少し考えていた。


「(…やはり光属性の精霊を(たばか)るのは難しいですね)」


彼女は精霊だから相手の魂なども見分けられる、私の中にある力を感じて疑問に思ったんだろう。

でも、これは今は誰にも明かせない大事なこと極秘事項だ。


「では、作業に戻りましょう!」


みんなでまた森の復興作業を進めて、リアにもらった種を畑に植えてその日は終えた。

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