表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第3話 出会い

 

「武器を求める声が聞こえた!!」


 後方から現れた青年は大声と共に登場した。


 確かに武器は求めた、求めたが……というか誰だ?


 青年はまた息を吸い込み


「武器を求める声が……」


「分かった分かった! 求めたよ! くれるのか!?」


「しからばこいつを受け取れぇ!」


 青年は右手を前に突き出した。


 右手が青い光に包まれた後、空間が裂けポータルのようなものが出現した。


 その中に腕を突っ込み、出てくる時にはなにかが握られていた。


 西洋風の両刃剣だ、しかも大剣。


 グリップや柄、鍔の部分はシンプルながら金色の装飾が施され美しさすら感じる。


 「これを!」


 そのフォームを見てすぐに察した。


 こいつ、俺の方に投げて渡そうとしてやがる。


 青年はめいっぱい力を込めて大剣を投げたが俺と青年の真ん中辺りにがらんがらんと音を立てて落ちた。


 「全然届いてねぇ!!」


 俺はすぐさま走り大剣を拾った。


 ここまでよく見ててくれたがあっけに取られてたゴブリンもここで動き出した。


 最初に来たのは生き残りのチビゴブリン2匹だった。


 剣を振り下ろしてくるゴブリンの攻撃を大剣で真正面から受け止める。


 ガキンという音と共にゴブリンの剣が半分に折れていた。


 防御姿勢からそのまま大剣を高く振り上げ叩き潰すように勢い良く振り下ろす。


 「こいつは凄い」


 思わず笑みがこぼれる程の切れ味だった。


 「次来るよ!」


 青年の言葉通り前からゴブリンが群れで来るが、猪突猛進してくるゴブリン達にはもはや戦術など何も無かった。



 恐怖なのか驚きなのか狩りの仕方を忘れたようだな。


 そこからは簡単だった、ただただ攻めてくるゴブリン達をいなし、切っていく。


 「ふぅ、片付いたか」


 最後の1匹を切り終え一息つく。


 「いやー、君凄いよ!!」


 青年が終わったと同時に声をかけてきた。


 「君異世界から来たでしょ? こんなに早く襲われて生き残る人なんて滅多にいないよ! ああそうだ、名前も名乗ってなかったね、僕の名前はハルト、よろしくね」


 「ああ、俺の名前は紡辰馬(つむぎ たつま)、よろしく」


 とりあえず握手はしたがそれより気になる事を言っていた。


 「薄々そうだろうとは思ってたがやっぱりここ異世界なんだな、いきなりの殺し合いでそんな事考えてる暇なんて無かったが、でもなんで俺が異世界から来たって分かるんだ?」



 「それはこの森がそういう場所だからなんだよ、通称〈異界の森〉何故かここには時折異世界から人が迷う……と言っても殆どの人はさっきの様に魔物に襲われて亡くなっちゃうんだけどね」


 ハルトは俺に丁寧に説明してくれた。


 「まあ、まだまだ聞きたい事もあるだろうから一度この森を抜けて一息つこう、日も落ちて来てるしね」



 「助かるよ、このままどこに行けば良いかも分からなかったからハルトが居なかったらまずかったよ、道案内は任せてもいいか?」


 こうして2人でこの異界の森を抜ける事にした。



 ここからの長い2人旅の最初の1歩とも知らずに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ