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聖女マチルダの物語

このラグラジェントに数多くの宗教があれど、聖女と云う者が在籍しているのはレイノス教だけである。巫女や修道女ではなく聖女が⋯⋯⋯。年老いた聖女マチルダが聖女になる迄を紐解いてみよう。

マチルダは、ローレン大陸の北東にあるナイム僧国の小さな村で生まれた。ある夜マチルダは、自分の周りを星が流れ落ちる夢をを見ていた。

マチルダは、星が流れ落ちる夢の中で、広大な宇宙空間を1人で彷徨っているような感覚を覚えました。星々が彼女の周りを舞い、まるで無数の光の粒子が彼女を包み込んでいるかのようでした。

その中で、マチルダはひとつの星に引かれるような存在を感じました。その星は他の星々とは異なり、まるで生命の息吹を持っているかのような輝きを放っていました。マチルダは星に近づくにつれ、その輝きがますます明るくなるのを感じました。

星のちかくに到達すると、マチルダは驚きました。その星の表面には、不思議な文字で書かれた言葉が浮かび上がっていました。彼女はそれを読み取ることができず、星が何を意味するのか理解することができませんでしたが、その美しい光景に心奪われました。

すると、星からひとつの声が聞こえてきました。

「マチルダ、あなたには大切な使命があります。聖女となり民草の心を導きなさい。あなたは旅に出るのです。」と言いました。マチルダは驚きながらも、その声に心を奪われ、星に近づきました。

星は1匹の綺麗な虹色の龍鱗を持つ龍の姿になりました、龍はマチルダに微笑みかけながら、彼女の心の中に聖宮ディナールまでの道程と。幾許かの知識をマチルダに授けました。

マチルダは目を覚ますと、その夢がまるで現実のように鮮明に思い起こされました。彼女は自分の中に芽生えた新たな力と使命を感じ、龍に言われた通り聖宮ディナール行くことを決意しました。

彼女は龍から授かった知識を共有し、人々の心に夢と希望を灯すために聖宮ディナールへ旅に出ることにしました。マチルダは、10才の幼い身で家を飛び出したのです。

それから、2年が経過してマチルダは12歳になりました。彼女の旅路はナイム僧国を出てアルビオ聖導連合国の片田舎の小さい村近くまでやって来ていました。

この村は小さな教会があるだけで、特にこれといった特徴もない平凡な村であり、村人達は皆優しく、笑顔を絶やさない良い人達ばかりだという話を旅人から聞き

マチルダは、アルビオ聖導連合国の小さな村に到着しました。村の人々は彼女を温かく迎え入れ、旅の疲れを癒やすために心地よい宿を提供してくれました。

村の教会に足を運ぶと、そこには優しい僧侶が住んでいました。彼はマチルダの旅の目的となる聖宮ディナールについて詳しい情報を持っていると聞きました。マチルダは教会の僧侶に自分の使命を語り、聖宮ディナールへの道を尋ねました。

僧侶は静かに頷きながら言いました。「聖宮ディナールへ行く転移陣は遥かなる森の奥深くにあります。しかし、その森は妖精たちによって守られています。彼らは遊び心が強く、時に人々に悪戯をすることもあります。マチルダよ、あなたは妖精たちとの出会いに備えて心を開きながら進んでください。彼らはあなたの使命に興味を持つでしょう。」

マチルダは決意を固め、妖精たちが住む森へと足を踏み入れました。森の中は美しい緑に包まれ、鳥のさえずりや風のささやきが耳に心地よく響きます。彼女は森の中を進みながら、妖精たちとの出会いを心待ちにしながら歩きました。

すると、小さな光がマチルダの前方に舞い降りてきました。それは妖精の一人でした。彼女は透明な羽根と輝く瞳を持ち、優雅な笑顔でマチルダを迎えました。

「ようこそ、マチルダさん。私はエレナと申します。妖精の一員です。あなたの使命に興味を持っています。どうぞ、私と共に来てください」とエレナは言いました。

マチルダはエレナに従い、森の奥深くへと進んでいきました。途中で他の妖精たちも姿を現し、興味津々な様子でマチルダを取り囲みました。彼らはマチルダの持つ使命について尋ねたり、彼女の旅の目的について話し合ったりしました。妖精たちは好奇心旺盛で、マチルダの心から溢れる夢と希望に感銘を受けていました。

エレナは妖精たちとマチルダを導きながら語りました。「マチルダさん、我々妖精たちは自然と共に生き、喜びと幸せを分かち合う存在です。あなたの使命が人々の心に夢と希望をもたらすものであるなら、我々も力になりたいのです。」

マチルダは感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。彼女は妖精たちと共に、聖宮ディナールへの旅を続けることを決意しました。妖精たちは彼女を守り、助けるために不思議な魔法や道案内を提供してくれました。

森の中を進みながら、マチルダは次第に自分の中に眠っていた力が目覚めていくのを感じました。彼女は星の守護者から授かった知識や龍から受け継いだ力を思い出し、それを活かして人々に希望を与える使命を果たす覚悟を固めました。

そしてついに、マチルダと妖精たちは聖宮ディナールに辿り着きました。そこは壮大な建造物で、神聖な雰囲気が漂っていました。マチルダは感動しながら入り口に足を踏み入れ、中に入っていきました。

聖宮ディナールの中は美しい彫刻や壁画で飾られ、聖なるエネルギーが満ちていました。マチルダは静かな心でその空間を巡りながら、人々の希望と夢を集める役割を果たすことを心に誓いました。

彼女は人々のために祈り、願いを聖なる場所に託しました。その瞬間、聖宮ディナール全体が明るい光に包まれ、マチルダは不思議な力を感じました。彼女の使命は始まったのです。

マチルダは聖宮ディナールを拠点に、人々の夢や願いを叶えるための活動を開始しました。彼女は知識と力を持つ存在として人々から慕われ、多くの依頼が集まるようになりました。

彼女は龍から授かった知識と龍から受け継いだ力を存分に発揮し、人々の心に希望と夢を灯すために活動し続けました。そのおかげで、パイノーグ大教会皇国の人々の生活は徐々に向上していきました。人々は希望と夢を持って前に進むことができるようになったのです。そして、人々はマチルダを聖女と崇めるようになりました。

しかし、そんな日々が続く中で、マチルダは自分が人々の希望を集めているのではなく、人々の希望が自分の中に流れ込んでくるような感覚を覚えました。彼女は人々の心から溢れ出る希望の感情を受け止め、それを自分の夢や希望に変えていきました。

やがて、彼女の心の中には人々の希望だけでなく、龍から授かった知識と龍から受け継がれた力によって生まれた、ひとつの夢が生まれました。それは、人々の夢と希望を束ねてひとつにする、大きな夢となりました。

マチルダは決意を固め、人々を導いて聖宮ディナールの中心にある神殿に向かいました。聖女となったマチルダは、そこで自らの使命を果たそうとしていたのです。

聖宮ディナールの中心部には、聖女の証である石像が置かれていました。マチルダは石像を両手で持ち上げると、静かに語りかけました。

すると、聖宮ディナール全体に優しい光が包み込み、彼女の手の中にあった石像が輝き始めました。

マチルダは驚きながらも、その優しい温もりを胸に感じながら聖女の石像に語り掛けました。

すると、マチルダの意識は聖宮ディナールから離れ、どこか別の場所へと移動したように思えました。気が付くと、マチルダは広大な草原に立っていました。そこには、マチルダの身体を優しく包むような温かい風が流れていました。目の前に広がる光景に心を打たれながら、マチルダは聖宮ディナールから与えられた使命を果たすために行動を始めました。

マチルダは人々の希望と夢を聖宮ディナールに集めました。そして、人々の夢と希望を結晶化させたものを、マチルダは大地へと流し込むために動き出しました。

マチルダは両手を広げ、天に向かって祈りを捧げました。マチルダの祈りは世界中へと響き渡り、空へと届きました。

すると、聖宮ディナールを中心とした大地に虹色の光が降り注ぎました。それは、聖宮ディナールに集められた人々の希望と夢の光が降り注いだものでした。

マチルダの祈りによって生み出されたこの奇跡の光を、人々は祝福の雨と呼びました。人々はこの美しい景色に心を奪われ、希望と夢を忘れずに生きていくことを決意したのでした。

こうして、マチルダの旅は終わりを迎えました。

マチルダは人々に希望と夢を与え続けました。彼女の功績は多くの人々に語り継がれ、人々に生きる勇気を与える存在として称えられています。彼女は今も、人々に希望と夢を与えるために尽力しています。


ワグナス・ノブール著 レイノス教出版

「聖女マチルダの奇跡と愛の軌跡」

これは、レイノス教が作り上げた私では無い私の物語。私は、聖水を少し出すことの出来るだけの少女だった。妖精の森には行ったことは私の記憶では無く、盗賊に襲われ崖下の急流に飲まれ妖精殿まで流されて来た。

私は、レイノス教の聖女マチルダとして崇められ、その時の教皇チャコ・エンタツによって聖宮ディナールに軟禁されながら人々の夢や希望を集めていた。私の仕事は人々から集めた願いを神に届けることだった。

ある日、聖宮ディナールの祭壇で祈りを捧げていると、突然異国の森と塔の入り口に捨てられた赤子の姿を幻視した。その幻視は瞬く間に広がり、世界が入れ替わって私が

塔の入り口から赤子抱き上げると世界は元に戻り、赤子は泣き始めた。

私は赤子を塔から連れ出し、一番信用における信者に託したのです。あれから16年、天命の儀がまた行われる。私の後継を得るために。

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