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テーマ詩集:冷蔵庫

とろろ昆布

作者: 歌川 詩季

 手を焼いてます。

 すぐ、逃げるんだもん。

 毛の長い犬は手入れがたいへん

 ブラッシングが嫌いなコなら そいつはなおさら

 毛繕(けづくろ)いするにまかせておいたら

 細い毛 絡まり固まって

 ひだのような層状の連なりを織りなす


 おおまかな鱗に包まれているようだ

 だけど そのいちまいいちまいは

 虹色の光沢をもつ うす焼きの陶器ではなく

 ちぢれた繊維の()り集まり


 なんかに似ている気がするな

 どっかで見たよな気がするぞ

 指でほどいて解きながら 縦にはさみをいれながら

 もやもやもやっと考える


 こんな手強(てごわ)いかたまりだけど ひょっとして

 お湯でもかけてやったなら ほぐれやしないかな

 そこまで思いついたとこで

 我にかえって 首を横にぶんぶか振るんだ


 やっぱり こまめに切り分けてゆくのがいちばん

 きょうはおたがい お疲れみたいだし

 さいごのひと切り ここまでにしとこう

 まいにち まいにち ちょっとずつ



 毛を切られるのにうんざりしてか

 あっちはあっちで ふて寝する愛犬

 こっちもこっちで ひといきつくか

 お椀とお箸を引っ張り出して

 お出汁(だし)を少々 お湯をかけかけ

 とろろ昆布のお吸い物をつくろう

 ポットひとつで、色々できます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前半後半にそれぞれの魅力があって良かったです!
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