第四部 そもそも担任は難しい立場
先にも書いたが、教員は加害者とも、卒業まで顔を突き合わせて指導しなくてはならない立場だ。
特に担任が、加害者に対して過激な対応を取ると、学期末までぎこちない関係を続けなくてはならなくなる。
対応を誤ると、普段の指導にも支障をきたして、大変に厄介なことになりかねない。
本来ならば、文科省がマニュアルやらガイドラインやらを作成して、誰でも対処出来るようなシステムを構築しておくべきなのだが、未だにそんなものは存在していない。
何かあると、付け焼刃の対処方法を文書で出すだけだ。
スキルもマンパワーもなく、具体的な指示もしないで、教員本人の資質と根性だけを頼りに、『何とかしろ』『解決しろ』というのは、完全にブラックの構図である。日本の教育界全体が、無能型ブラックと言えるかもしれない。
生徒を処罰するにも、それなりの権限とルールが必要なはずだが、それらなしに実力行使を試みるとなると、行き着くところは結局のところ体罰ということになってしまう。そして一度手を出せば、懲戒免職の道が待っている。
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思い付くままに、四つの問題点を指摘した。
勿論、他にも問題点はたくさんあるのだろうが、これだけでも、現状でいじめに適切に対応することが如何に困難か、御理解頂けたのではないかと思う。
これらの問題点を踏まえた上で、対処方法を考えていきたい。