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連載版 乙女ゲームは始めません。  作者:
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第一章 四.学園生活と光の力


出会いイベントを回避した私は、順調に学園生活をスタートさせた。

幸い、同い年の皆様とは別なクラスで接点はない。

あとは、フラグの立ちそうな場所に踏み入れなければいいのだ。


授業は楽しかった。勉強をするのは好きだし、新たな知識がふえるのは喜ばしいことだった。第2の学生時代を満喫中だ。


しかしやはり平民差別はあった。

一匹狼上等で過ごしているが、成績が良いと「光の魔力があるから特別視されてるんではなくて」とか、「その顔で先生を誘惑しているのでしょう」など。いちゃもんもいいところだ。また、光の魔力の授業が特別室で行われるのも気にくわないのだろう。


そもそも光属性の魔力とは闇を祓う魔力らしい。

てっきり癒しの力かと思っていたが、それは聖属性になると。

聖属性保持者は神殿に集められる。所謂聖女様だろう。

では何故光の力が国の保護化に置かれるかというと、相反する闇属性に対抗できる唯一だからだ。闇属性は測定できない。光と対峙して初めてわかる。しかも生まれ持った魔力ではなく、妬み嫉み哀しみ怒りと負の感情が溜まり淀んで魔力が変質して闇へと堕ちる。闇へと堕ちれば分かるだろう、そこに何かしらの災厄がおきる。それを察知するため光の魔力を広範に展開し、監視する役目を担うのだ。また、闇に堕ちたものを浄化するのだ。

光の魔力の授業は所謂国の暗部的なものを学ぶため、特別室で行われる。なんかヤバくね?と思っていたけど、魔方陣を学んだりするのは非常に楽しかった。あと、光の魔力の持ち主は10年に1人はいるらしい。

今回の私の先生も10年前に現れた光の魔力の持ち主だ。

伯爵家婦人であるが、今回の先生役を2つ返事で受けてくれたらしい。

「先生に憧れていたのよ」と貴族らしからぬ奔放な方だ。

光の術色はもちろん、貴族の理などいろいろ教えてくれる。

最初こそ平民でしょ?感を醸し出していたが、真面目に課題に取り込み様々な視点から質問を繰り出す私に好意を向けてくれるようになった。今では「お姉様と呼びなさい」と迫ってくる。


ある日、国の保護下ってどんな気分か聞いてみたら、先生も同じ質問をしたと笑って答えてくれた。

「このブレスレットを見てくれる?」

何やら文字のようなものが彫刻されているシルバーのブレスレットだ。何か綺麗な石もついている。

「この文字は古代文字?」

「正解。これは古代文字で魔方陣の術式が彫られているの。これが光の魔術師の証明。王家の魔術師団の水晶に連動しているの」

「王家のですか?」

「そう、これが保護下の証明。このブレスレットから異常があると王家に連絡がはいるの」

常時監視体制じゃん。でもまぁそうだよね。

「そう難しく考えないで、普段は何も起こらないから。このブレスレットには今学んでいること全てが凝縮されてるんだから」

どうやら光の術式を全て理解できたら、このブレスレットを王家から授与されるらしい。その時自分の魔力を込めた魔石をブレスレットに取り付けるのだ。あとはブレスレットを身につけるだけで、常時光の魔方陣が展開される。また、闇を祓う術式も組み込まれている。

なんたるチート。

「正しく理解し、己を律し使用するただそれだけのこと」

先生のこの言葉は、胸に響いた。



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