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連載版 乙女ゲームは始めません。  作者:
乙女ゲームを始めます
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第一章 三.入学式


さぁ、舞台の幕があがる。


とりあえず覚えているフラグは「ハンカチ」だ。

入学式の日に、落としたハンカチを誰が拾うかで相手が決まる。

そんな出逢いで大丈夫なのかと思うよね。

だから入学式の今日、ハンカチは持ってきていない。

しかしゲームの強制力なのか、真新しい制服姿に涙する両親とハグをして別れたのに、途中で母さんが「ハンカチ忘れてるわよ~」と、追いかけてきたのには驚いた。もちろん「えっ、あるよ」とスカートのポケットの裏地を見せて誤魔化した。この裏技、この世界でもアリなんだと思った。


正門に立つ。

おぉ、とうとうゲームスタートですよ。

頭の中でオープニング曲を流す。

なんか感動、ゲームで見たまんまの景色だ。思わずキョロキョロしてしまうが、あわてて姿勢を正す。

油断大敵、どこで攻略対象者とエンカウントするかわからない。

人混みに紛れば大丈夫だよね?

だってイベ発生は一対一がテッパンだし···。

とりあえず女子軍団に紛れて、入学式の会場を目指す。



無事に会場に到着、あとは今日が終わるのを待つだけ。

なんだかとても疲れた、精神的に。


入学式がはじまる。

入学の挨拶で新入生代表で皇太子殿下が壇上にあがる。会場が一気にざわめく。無駄に関わらないように顔は覚えておかなければと、ガン見する。金髪サラサラのイケメンやないか~い。でも、甘めの顔はタイプじゃないな。本当にザ·王子!

続きまして在校生挨拶に、侯爵令息登場。こっちはグレー系の髪を後ろに撫で付けてる。目鼻立ちがスッキリしているが、なんか右目下の泣きボクロが艶っぽい。会場がため息に包まれた。わかるわ~、色っぽい。この人が卒業するのがエンディングだ。


入学式が無事に終わり、校内を散策する。

そう、後の3人を見るためだ。どうせ全員集合しているだろう。人集りを確認する。あそこなら2階から見えるだろう。早速2階に上がり気配を消して下を覗き見る。

金髪の横にグレーが見えた。ビンゴだ。となると、銀髪メガネが宰相の息子、あーっぽいな、インテリメガネ。その横の赤毛の細マッチョが騎士団団長の息子だろう。体型は好みだな、うん。後の黒髪が魔術団長の息子か。ワンコ系の喰えない奴っぽいな。

それにしてもイケメンの見本市ですな。

王子、お色気、インテリ、細マッチョ、ワンコ系。娘なら食いつくだろうな、間違いなく。しかし中身40歳の私には息子みたいなもの、興味なし。

ともかく関わらないように、静かにすごそう。

そうしてひっそりと姿を消した。



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