第一章 一. 転生しました
第二章までは、だいたい短編版をなぞっています。
どうか広い心でお読み下さい。
意識が浮上する。
制服に身をつつみ、正門に立つ私。
さっきまでは、ドレスに身をつつんで卒業パーティーに出席していたはずなのだが。
もしかして、リセットされてる――――!?
私の名前はマリア。
名前からわかるように、ヒロインだ。
はい、乙ゲーの。
しかも異世界転生ときた。
実年齢40歳。
この国で行われる魔力測定の真っ只中で、いきなり覚醒。
測定する水晶の前で呆然とする。
周りは弾けんばかりの光に興奮覚めやまらない。
神官様が何かを言っている。
いやいや、ちょっと待て。
それどころではない。
たしか、さっきまでコンビニにいたよね。
そうだ、店を出た所で車が突っ込んできて···。
まぁ、向こうもそれどころではないのだろう。
呆然とする私の腕を捉えて、あっというまに別室に連れて行かれた。
神官様からつげられる。
○ 魔力が高いこと
○ この国で保護すべき光属性を持っていること
○ 魔力の安定、また技術を学ぶため王立学園に入学すること
半ば放心状態で聞きつつ辺りを見回す。
ふと鏡を見た。
そこには、金髪美少女が写り混む。
右手で髪を撫でる、鏡の中の少女も同じ動作をする。
えっ、私!?
というか、この顔見覚えある。
娘がハマっていたゲームのヒロイン「マリア」だ。
「では、参りましょうか?」
なんと今日は馬車で送ってくれるらしい。
両親に説明するため神官様も一緒だ。
なぜ?と思っていると、今日の魔力測定の結果を鑑みてのことらしい。
光属性は稀有で、魔力も膨大。
有らぬ争いから避けるためだ。
つい先程の出来事であるのに、貴族から養子にと名を挙げている方々いるらしい。
平民であるが故に、貴族からの申し出は無下にできない。
そういったことも合わせて説明してくれるらしい。
まぁ、両親に任せよう。
それよりも自分のことだ。
改めてみるも、マリアだ。
マリアが今まで生きてきた記憶もある。
両親にも愛されて育っている。
やっぱり私はあの時死んだのだろうか?
そしてまさかの乙ゲー転生?
こんな可愛い子に、何故に私?
あと20歳若ければ、異世界転生やっほ~いなんだろうけど···。
いまさら嘆いても仕方ない。
この子の人生のこれからは私が生きる。
つーか、乙ゲーか。
詳しくは覚えてないんだよね~。だって40歳だよ。
娘がしてるの見てただけだし。
攻略対象が、皇太子殿下、宰相の息子、魔術師団団長の息子、騎士団団長の息子、侯爵家令息だったかな?
名前?そんな長い名前覚えられないって。
てか、攻略しなきゃ駄目?
イケメンは観賞するものでしょ?
そもそも全員婚約者がいたはず。確かにマリアは、可愛い。だとしても、婚約者を蔑ろにして平民といちゃラブって···。略奪愛反対!!
乙ゲー本末転倒だけど、攻略しません!!
出逢いイベントをスルーして、清く正しく美しく学園生活を送ろうと固く決意した。
短編版、ブクマ評価ありがとうございます。