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第三十一話 真実

ちょっと色々としていたら、更新するの忘れてましたっ!


慌てて更新ですっ!


それでは、どうぞ!

 どうしてこうなったのだろうか、と思いながら、とりあえずリビングに王妃様とシェイラ、後は、護衛の三人と、侍女二人を案内して、お茶を出す。



「ありがとうございます。お姉様」



 ただ、そんな混乱の中でも気になるのは、シェイラの顔色の悪さだ。よほど、先程までの出来事が恐ろしかったのだろうかと思い、役に立たない自分が情けなくなってくる。



「そうでした。『絶対者』、いえ、リリス嬢。どうか、シェイラ嬢の怪我の具合を診てはいただけませんか?」


「怪我っ!? 怪我をしているのですかっ!」



 思わず素の自分の状態で叫べば、わたくしが居なくなった後、シェイラがどんな目に遭ったのかを教えてもらえる。

 とりあえず、家庭教師と父親だとも思いたくないあの男に関しては、報復を行うこととしようと決意する。



「お姉様。そろそろフードを取ってください」



 額に汗を浮かべてそう言ってくるシェイラに、確かに、もう正体は割れているのだと思って、フードを取り、声も戻す。



「シェイラ、すぐに治してあげますわ」



 もちろん、シェイラの体を傷つけた二人には、強力な呪いを……シェイラに与えられた痛みの十倍の痛みが全身を襲う呪いを送ることにして、わたくしはさっさとシェイラの体の様子を確認して治していく。



「打撲、裂傷、骨折……許しませんわっ」



 良く、こんな状態で立っていられたものだと思うくらいに、シェイラの状態は酷かった。服の上からその全てを確認して、少し時間はかかったものの確実に癒していけば、段々とシェイラの表情も険しさが減っていく。



「ありがとうございます。お姉様」


「お礼なんて必要ありませんわ。元はと言えば、わたくしが何も言わずに出ていったのが悪いのですから……」



 こんなことなら、シェイラも一緒に連れてくれば良かったと、わたくしは本気で後悔する。そうすれば、シェイラはここまで傷つくことはなかったのだから。



「確かに、最初、お姉様が国外追放されたと聞いた時は驚きましたが、私は、お姉様が無事ならばそれで良かったと思ってますよ」



 ほわほわっと微笑むシェイラに、わたくしは無言でギュッと抱き締める。



(シェイラは、天使ですわっ)



 確かに、ちょっとつり目なところは天使のイメージとは違うかもしれないが、シェイラの心根は十分天使と呼ぶに値する。

 匂いで正体がバレたという事実を盛大に忘れ去ったわたくしは、しばらくシェイラを抱き締めて、気まずそうな咳払いがかかるまでそのままだった。



「えぇっと、その、リリス嬢?」


「は、はいっ、王妃様っ!」



 リリスとしてのわたくしと、王妃様の仲はあまりよろしくはない。と、いうより、いつもいつも睨まれていた記憶しかないわたくしは、また睨まれているのだろうかと視線を向けて、全くその様子がない、むしろ、どこか困ったような表情の王妃様を前に、困惑する。



「リリス嬢。今まで、どうしようもなかったとはいえ、ずっと睨んでしまって、申し訳ありません」



 しかも、王妃様は深く深く頭を下げて謝罪してくる。

 それを、周りの侍女も護衛達も止めないのだから、わたくしは大いに慌てた。



「あ、頭をお上げくださいっ! わたくしは、何とも思っていませんでしたので、大丈夫ですわっ! その、『絶対者』としては、それなりに友好関係を築けていたと思っておりますし……」


「えぇ、今まで知らなかったとはいえ、リリス嬢には何度も助けられて来たのですよね。私が、リリス嬢を守るつもりでしたのに、私の方が守られていたようです」



 どうやら、王妃様がわたくしを睨んでいたのは、何か理由がありそうだと考えてその説明を聞いてみると、信じられないことに、国王陛下がわたくしを手に入れようと画策していたということが明らかになる。恐らく、王妃様の対応がなければ、わたくしは国王陛下の手に落ちていたかもしれないと思える場面もあって、わたくしと、その話を知らなかったらしいシェイラは真っ青になる。



「ありがとうございます。王妃様。わたくしは、王妃様の守護がなければ、当の昔に国王陛下の手に落ちていたことでしょう」


「いいえ、リリス嬢が『絶対者』ならば、私が守らなくとも転移で逃げるくらいのことはできたでしょう。私がやったのは、ただ事態を緩やかに悪化させただけです」


「いいえ、もし、逃げたとしても、そこまで昔となれば、わたくしの方は何も準備はできていなかったでしょう。きっと、大変な目に遭っていたはずですわ。ですから、時間稼ぎをしてくださった王妃様には、感謝の言葉しかありませんわ」



 お互いがお互いに頭を下げ合う奇妙な光景に、それを黙って見ていたシェイラが声を上げる。



「王妃様。お姉様を守ってくださり、ありがとうございますっ」



 そして、シェイラまでもが頭を下げたことで、しばらくお礼合戦が繰り広げられ、それが終わる頃には温かかったお茶は冷めてしまっていたのだった。

今回は、予定していたところまで書けませんでしたが、明日こそは、ルティアスを登場させたいですね。


それでは、また!

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