第一話 宣言
『私、異世界で監禁されました!?』の続編です。
前作を読んでいなくても、話が分かるようになっていますので、どうぞよろしくお願いします。
「感謝なさい。貴方は、わたくしの下僕にしてあげますわっ」
紺碧の長髪に紅の瞳、玉のように白い肌と、ボンキュッボンの我が儘ボディを持つ黒衣の少女は、腕を組みながら、鋭い目付きで椅子に座る男を見下して告げる。
男は、アクアマリンの髪に、黄金の瞳、白い巻き角を持った人懐っこい顔立ちの青年で、そんな少女を呆然と見つめた後、パアァッと瞳を輝かせる。
「うんっ、下僕にしてくださいっ!」
死の森と呼ばれる森の奥にある木造の一軒家。そこで、青年は、幸せそうに微笑み、それとは対称的に少女は嫌そうに顔を歪める。
「貴方にはっ、プライドというものがありませんのっ!?」
「リリスさんのためなら、そんなもの、ウルフにでもくれてやるよっ。これから、よろしくね。ご主人様っ」
目をキラキラとさせながら即答する青年に、少女は一歩後退る。
「あ、貴方に『ご主人様』などと呼ばれたくはありませんわっ」
「じゃあ、お嬢様? それとも、リリス様? あっ、リリス様って、何か良いかも」
少女の名前を呼んで、恍惚とした表情を見せ始めた青年に、少女はブルリと震える。
「こんなはずじゃ、ありませんでしたのに……」
こうして、ヴァイラン魔国魔将が一人、ルティアス・バルトランは、元レイリン王国シャルティー家公爵令嬢、リリスの下僕となるのだった。
とりあえず、できるだけ、毎日23時に更新しますね。
それでは、また!




