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東海幽霊小話  作者: みつき
3/4

3話

「さて……人生の縮図を一瞬で垣間見た後ですが、次は何処にしますか?」

 ………………ろ。

「え? あンだって?」

 ……おんな、ぶろ…。

「うっわ! 最低! 貴方様最低だ! このエロ!! 貴方様も欲望塗れ!!」

 どうとでも言え! 地縛霊になって誰も近しい存在が居ないのなら、いっそ色欲に走ってやる!

「まあ、良いでしょう。では……テレポ!!」

 プルルルっとした電子音と時空の歪みの後に現れたのは桃源郷。そう、女風呂。

 恥ずかしながら、僕は生まれてこの方、女性と致した事が無い。むしろ、接した事が無い。

「童貞」

 やめて! 言わないで傷付く!

「童帝王」

 やめて! ちょっと強そうにしないで!

「はい、待望の女風呂ですよ。さあ、解き放て己が欲望をッ!!」


 立ち込める湯気と熱気。此処があの僕等のエルドラド、女風呂か……ッ!

 白い肌、揺れる胸、うなじに鎖骨。様々な箇所が露わとなっている。なんと云う眼福。決めました、僕は此処で生きていきます!

「いえ、もう生きてないですけどね。本当に良いのですね?」

 ここに決めない訳が無い! 決めない訳が……無い?


 しまった! 盲点に気付いてしまった灯台下暗しィ!!

 皆、様々な衣類を脱ぐ。そう、メガネさえも!! 無類のメガネフェチにとって、メガネの無い世界等、生き地獄ッ!!

「いえ、もう生きてないですけどね」

 ――やっぱり別の場所にします。

「これだから、盛ってる童帝王様は……。では、次は何処にしますか?」

 全裸の変態な中年天使に愚弄された可哀想な僕を癒してくれる場所。永遠に地縛霊として過ごす場所。

 親も無理。性欲も無理。金や食べ物にしても、この身では意味が無い。


「あの早くしていただけますか? 先週からドラマ楽しみにしてたので。ガッキー早く観たいので」

 全身に電流が走った。最大の願う場所が思い浮かんだ。憧れのクラスメイト……早乙女さん!!

 彼女に会いたい! 傍に居たい! 見守りたい! 生活を見たい! 身体の隅々まで見たい色々見たい!!

「それ、結局性欲ですよね?恐るべし童帝王」

 男が一度吐いた言葉は飲み込まない! さあ、早乙女さんの部屋へ!!

「カッコ良さそうな台詞ですけど、貴方様が最低どエロなのは揺るぎ無い事実ですけどね。では……テテテテン♪ どこでも〇アー!!」

 ……なんかもう、何でも有りな移動描写ですね。

「テテテテン♪ コルトガバメント357マグナムぅ~! 股間、撃ちますよ?」

 う、うわあ凄いや! あっと言う間に早乙女さんの部屋! え、えへへ!

「さあ、余計な事からは目を背け、欲望赴くままに突き進め若人よ!」


 彼是はさておき、僕の桃源郷且つエルドラドでもある早乙女さんの部屋。あれもこれも見放題な部屋ッ!!

 現世に別れを惜しみつつ、早乙女さんのベッドで香りを堪能していると、足音が訪れた。

 なんと、其処へ現れたのはタオル一枚のみ身に纏った早乙女さん。これは夢か幻かッ!?

「ふぅ……結構洗ったのに、お線香の匂いがまだするなぁー……。まあ良っか。着替えよぉー」

 僕の葬式帰りで風呂に入っていたのか、僕の女神様天使様があられもない姿。

「私が天使ですよ?」

 小汚い中年の発する戯言に構っていられない! あの早乙女さんが、タオルを、はらりと……。


『……う゛ッ』

「え!? 何!? 何か聞こえた!?」

 しまった! ついスパーキングメテオして声を出しそうになってしまった! 堪えろォ! 僕よ堪えろォォ!

「気のせい……かな?」

 クレオパトラも嫉妬に狂って失禁してしまいそうな程に、早乙女さんは可愛らしく首を傾げる。嗚呼、もう、もう死んでも良い……。

「いえ、もう死んでますけどね」

 そして、憎たらしいタオルが取り除かれる。其処には至極の裸体が……もう我慢できない! どうなっても良い! 今すぐ致したい! 今すぐキスミーWOW WOW! 触れられなくとも、もうエア的な感じで僕のクララを挿れたい!!

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