閑話~クライン・アルベルトの自己紹介~
今回は閑話デビューです!!
アルベルト兄弟についてもっと何か書こうかなぁ。そう言えば私、閑話書いたこと無いな。よし、書こう!!…といったノリで、今更感満載のクライン・アルベルトの自己紹介を書きました♪
ー某暗闇空間にて、中央の椅子に座る彼にスポットライトが当たるー
俺の名前はクライン・アルベルト、18歳。
代々名高き剣豪を輩出してきた、アルベルト家の次男であり、元フローラの専属騎士だ。今は次期国王として、この国を統治する術を国王から学んでいる。
……まさか自分が国王となるとは思いもしなかったから、正直政治の面に関しては素人同然。俺は次男で家督を継ぐこともほぼないから、そういった勉強はあまりしてこなかったしな。
しばらくは国王の命令を遂行する日々となりそうだ。
まぁ俺としては、剣を振る時間さえ確保出来ればそれで良い。暇さえあれば剣を振っている俺を見て、出会った最初の頃はフローラにも、
「クラインって、趣味は無いの?」
とか聞かれたっけな。
「趣味?今しているところだよ。剣を振ることが、俺の趣味だ。剣を振る瞬間とか、風を切って爽快なんだぜ?!」
そう生き生きと答えたら、ちょっと顔を困らせてたなあいつ。
“ごめんなさい、ちょっと共感出来ないわ”とも言っていた気がする。
俺としては、フローラの花を見ていることが趣味という方が分からないけどな!
……これを言うと怒って言い合いになるので、口には出さないべきだと過去に学んだ。幼い頃はこれで喧嘩もした覚えがある。
でも俺は花自体は別にそこまで好きでもないが、“花を見ているフローラを見る”のは、割と好きだったりもするんだよな。
絶対に言ったりはしないが、彼女の花を見ているときの可憐な表情は、正直他の奴には見せたくねぇ。独占欲?……何を言ってるのか分からねぇな。そう思ってることがバレなければ問題ねぇだろ。
「お兄ちゃんにはバレてるけどねーー!」
ーーー今何か、嫌な気配がした気もするが。
そういえば俺には上に、5歳年上の兄がいる。
この兄は、何故か俺をよくからかってくるんだよなぁ。俺なんかからかって、何が楽しいのか正直よく分からねぇ。というより、兄上の考えていること自体よく分からないことが多いが…。
よく分からない兄上だが、だからと言って決して侮ってはいけない相手だ。兄上の情報力の右に出るものなどいないのだから。
…あまり舐めてかかると、痛い目を見るぞ?
(経験者は語る)
だけどこれだけは決めている。俺として、男として、これだけは絶対に譲れない。
「“お兄ちゃん”とは呼ばねぇからな?!」
あぁ、死んでも呼ばない絶対に!!
さてと……
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「これくらいでもういいだろ?」
『はーい!お疲れ様でしたぁ。今更感満載だけど、自己紹介してくれてありがとねー!いやでも、もう少し言うことあるんじゃない?例えばほら、フローラのどこが好き……』
ガッターンッ(椅子の倒れる音)
「ばっ!そんなもん、言う必要はねぇーーっ!!」
『はいはい、顔が真っ赤ですよクラインさん?…これだからいじるの止められないんですよねぇ。ププッ』
「なっ!!だいたいお前誰なんだよ!いきなりこんな所に連れてこられて、椅子に座らされて…とりあえず約束通り、奪った剣返せ!!」
『返します返しますって~。ついでにあなたももう帰しますからご安心を~。私が誰かって?そうだなぁ、うーん。そうだ、母なる存在とでも思っておくれ!』
クラインの身体が、暖かな光に包まれる。
「は、母なる存在?!っておい、何手振ってんだよ!まだ聞きたいことがあるんっ……」
『ばいばーい!ここでの記憶は消しとくから、安心してね~!!って感じでよろしく西の魔女ー!!』
そう言い残すと、母なる存在(?)も、暗闇空間から姿を消したのだった…。
『あ、明るい方なのね……私達を生み出した存在は。さてと、指示通り仕事をしましょうか』
今だけ何故か元通り魔術を使えることに、多少の喜びを抱きながらも、西の魔女フェリナは言われた仕事をこなすのだった。
初めての閑話、お読み頂きありがとうございます。次回からは本編に戻りますので、そちらも引き続きお読み頂けると嬉しいです♪