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再び王室図書館へ!

更新が遅くなってごめんなさい汗

また、新たにブックマーク登録して下さった方、ありがとうございます♪

目的地を王室図書館へと決めて出発してから約十数分。

広い城内ゆえか、結衣は数回の迷子を経てようやく今王室図書館の扉の前へと辿り着いた。



「どうかクラウディア様がいませんように!」



キィーッと音を小さくたてて開いた扉の隙間から、こっそり中を覗く。だが見た限りでは、誰かがいる気配は感じられない。


「良かった、誰もいなさそう」


では早速、とばかりに結衣は、一番左の棚から順にお金に関する本を探し始めた。


「この棚は歴史書、ここは植物関連、ここの棚は…え、各国の建国神話?!なにそれめっちゃ読みたいんですけどっ!!」


ゴクリと唾を飲み込んで、その棚に手を伸ばしかけるが…


「ダメよ結衣。時間は有限、目的はお金に関する本でしょ?!」


“マーラよ立ち去れー!!”と自分を諫めて心の中の悪魔を追い出し、結衣は次の棚へと移った。


「貨幣の歴史ってことは…あ、これかな?」


数多くある棚の中から、案外早く目的の棚を見つけることが出来たのだ。これはラッキーと言うべきだろう。


「なになに?えーっとお金の単位は一律“ルピー”で、貨幣はそれぞれ…」


その本に書かれていた内容をまとめると、だいたいこんな感じだった。


1、お金の単位は全国共通“ルピー”である。

2、貨幣は金貨・銀貨・銅貨の順に価値が高い。

3、日本円に直すと…

金貨…一万円、銀貨…千円、銅貨…百円といった所。


「うん、これならすぐに覚えられそうかな!」


(あまり複雑じゃなくて正直助かったな)


ホッと一息ついて、結衣は本を棚に戻す。

そしてふと結衣は、例のあの本をもう一度見たい衝動に駆られた。


「この前はクラウディア様がいて、ゆっくり見られなかったしね。まだ誰かが来る様子も無いし、ちょっと見ても問題無いでしょ!」


それは図書館に並ぶ数ある棚の一番奥に、人目を忍が如くひっそりと置かれていた。


“光闇魔術書”と書かれたその本を手にとって、結衣はパラリと最後のページをめくる。

案の定“正夢”という名の魔術の説明文が、そこにはあった。


「…やっぱり夢じゃなかったんだよねーーーえ、あれ?」


最後のページから数ページ戻ってみると、以前見たときには絶対に無かった文字が書かれていることに気付いた。

しかもその内容は…


「じゅ、呪術について?!」


その言葉を読んで、真っ先に思い浮かんだのは彼の顔。クラインの死因が、呪術である可能性について考えたことも無かった。結衣の中で、彼の死因が呪術であるのではないかという疑惑が膨らみ始める。


慌てて内容の続きを読むと、


「呪術をする際に必要なこと。対象の身体に発動させたい日以内に傷を付ける…うっそ!それってクラインの首筋の傷のこと?!」


結衣の“クライン、呪術使われてるんじゃないの疑惑”は、その記述を読んだ途端に確信へと変化した。そのうえ記述は終わりではなく…


「その際使用した、対象の血の付いた武器が呪具となる…え、ということはクラインを傷付けた相手がそのまま魔女って可能性もあるの?!」


そして記述の最後には、術の発動時刻は午前零時ジャストであり、満月の日に限ると書かれていた。


「今日が満月だったかどうかまでは覚えていないけれど、正直他の内容が余りにも酷似し過ぎてる…」


これは、もう断言しても良いだろう。


クライン・アルベルトは何者かによって、呪術を使われて殺されるのだと。


「じゃあ私が取るべき行動は一つしかない。クラインが誰かに傷を付けられる前に、本人に忠告しておかないと!!」


何故最後のページ以外は読めなかったはずのページを今読めて、しかもその内容がクラインの死因と酷似しているのか。

そんな事を考えている余裕は、今の彼女には無かった。彼女の心を占めるのは、ただ何者かに傷を付けられる前に、クラインに伝えるという強い意志だけだ。


余裕の無い手つきで本を元に戻し、バタンッと大きな音を立てて、結衣は王室図書館をあとにした。






広い広い城内を、クラインを探して彼女は必死で走り始める。


しかしもう、手遅れなのだということも知らずに…。


この世界のお金に関しては、銀貨と金貨の額の差が結構あるような気もしますが、皆さんへの伝わりやすさ重視ということで、ご容赦をw汗

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