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フルーツを巡って

新たにブックマーク登録して下さった方々、ありがとうございます!これからも執筆頑張ります♪

場所は食事の

朝食も終わりに近付き、結衣はこの後の行動を考えていた。


(うーん、やっぱりクラインのこの後の行動が気になるよねぇ。だって確か怪我してたのは、朝食後からお昼前にかけての間だったし)


「おいユイ、それもう食べねぇのか?残すなんてもったいねぇ。俺もらうぞ?」


(でもでも、確かこの後私は王妃様に声を掛けられて図書館に行くんだったはず。その時クラインには会えるけど…でもその後クラインの行き先を確認するのは無理なんだよなあ)


「おい聞いてんのかユイ?……もらうぞ。いいんだな?もらうからな!」


(だって私はフローラの専属メイド。呼ばれたらすぐに行かなければいけないもの。それにもし、尾行してクラインに見つかった場合の言い訳がきかないしね。うーーん、どうしようかな)


結衣が悩みながら、止まっていた食べる手を再び動かすと、お皿の上にあったはずのフルーツがなくなっている事に気付いた。


「あーーーっ!私のフルーツが無い!!」


「…お前、人があれだけ確認してたのをまさか聞いてなかったのか?!」


「え、確認?知らないよ!っていうかじゃあ食べたのクライン?!信じらんない、人の物取りますか普通っ!!」


クラインのお皿をよく見ると、フルーツのヘタが2つ乗っかっている。完全に結衣のフルーツを食べた証拠がそこにはあった。


「いやいやいや、確認したからな俺は!それに、残すなんてもったいないじゃねぇか」


「違いますぅ!美味しそうな物は最後に食べる派なんですぅ!!」

ガウガウと、言い合う2人の間に入れずにいる残りの皆様の心の声はおそらく同じ。


“仲良いんだな、あの2人”


「ふふ、クラインは昔からよくフローラの食べきれない時に、手伝ってくれていましたからね」


「そうだったな。まぁさすがに公の場ではしないが、今は違う。わしらが想像していた以上に、ユイと仲が良いのだろう」


その様子をクラウディアとアイヴァントは怒るどころか温かく見守っている。


「まったく…。兄としてはいさめるべき行動なのでしょうね」


でもフローラ様を嬉しそうに手伝う弟の姿を見ると、ちょっと躊躇ってしまうのです、とシリウスも苦笑していた。


そして、仲裁はお願いしますとばかりに皆の視線はフローラに向いた。クラインの妻であり、結衣はフローラの専属メイド、今回ばかりはシリウスよりも彼女が適任だろう。


「わ、私?…まぁそうよね、私が適任よね」


それを理解し、ため息を少しついてフローラは、


「2人とも落ち着きましょう?ユイ、フルーツはまだもらえるわよ。それを食べて、ね?」


と、フローラらしいなだめ方で、やんわりとその場を納めたのだった。

内心では結衣のおかげで、クラインの少しかわいい一面を見ることが出来たと喜びながら。


最近やけにシリウスや結衣から、クラインがいじられ(?)ているのは、多分気のせいではありません笑

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