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王族の食事には毒は付き物?

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「……おーいユイ、聞こえてるかー?」


クラインの自分の名を呼ぶ声に、結衣はハッと我に返る。


「ご、ごめん。今、完全に放心状態だった。魔女の事とか色々考えてて……」


「まぁ俺も、あの話初めて聞いたときは、しばらく国王の言葉を信じられなかったしな」


「そうそう、クラインを納得させるのに、お兄ちゃんすごく苦労したよ」


“うん、懐かしいなぁ”と言いながら、急に会話に参加した第三者に、結衣は驚く。


「し、シリウスさん!……え、あれいつのまに部屋にいらしてたんですか?」


(確か、この部屋に入ったときは姿見かけなかった気がするんだけど……)


「ユイさんが主と“お話”している途中だよ。気付かなかった?」


いいえ全く、と言うように結衣は首をぶんぶんと横に振る。

シリウスの入室に気付かなかったのはどうやら自分だけらしい。


「ていうかユイ、お前……シリウスだけ、どうして“さん”付けなんだ?」


「えっ!シリウスさんを呼び捨てにするなんて、とてもとてもっ!!」


(ムリムリ絶対!理由は……オーラ?態度?なんか紳士的だし、ついつい“さん”付けしたくなるんです!)


「……なんだそりゃ。やっぱ変な奴だなお前は」


「失礼な!至って普通の感覚ですぅ!」


くくっ、とシリウス本人は笑いながら、


「別に呼び捨てでも全然構わないんだけどな。さてと、そろそろ昼食だ。このまま部屋を移動してしまうとしようか。あ、僕は主の用事について行かなければいけないから一緒には食べれないけどね」


話をしていたらどうやらお昼になったらしく、食事の間に行くとすでに準備が整えられていた。


フローラ・クライン・結衣が席に座ると、目の前に次々と料理が並べられていく。

正直なところ、この世界に来てから食べる料理はどれも、現世の生活ではとても食べることのできない豪勢な料理ばかりだと結衣は思った。

……王族の食事と同じ物なのだから当然なのだが。

どの料理も食欲をそそる盛り付けと、漂ってくる美味しそうな匂いが彼女を誘惑してくるのだからたまらない。


「この生活に慣れて現世での生活に戻ったら、ギャップとか色々ヤバそう……」


ちょっと場違いなコメントを呟きながらも、結衣はこの昼食で自分がやるべき事を思い返していた。


(そう、それはクラインの死因を考えたときに最も有力な説だった、毒殺の可能性について、いくつかの確認をとることだ。まずはーーー)


「そういえば、王族の食事といえば毒が付き物だけど、その辺の対策はどうしてるの?」


今はクラインとフローラしかいないため、口調は普通である。


「……おい、お前の中の王族の食事基準、どう考えてもおかしくないか!なぜ毒が付き物なんだ?!……いや、間違えてはないけどな。でも毎回入ってるわけではないんだぞ?」


「ふふっ、まぁ確かに毒が入っていた時もあったわねぇ。でも大丈夫よ。実はね、いつも使っているこの食器に秘密があるの」


(え、食器?……普通の銀食器にしかみえないけどな)


「実はこの食器はね、約400年前から存在するのよ。そしてこれにはいかなる毒が入っていても、この食器に乗っけるだけで食器のふちの色が変化して、すぐに判別出来るようになっているの」


「……マジで?すごっ!!」


(何だその超便利アイテムは!それがあれば毒殺の心配は無くなるわけだね、なるほどなるほど。……いやこれさ、どう考えても普通の銀食器にある性能ではないよね?ーーーということは、まさかこれも……)


「もちろんこれは、魔女フェリナの光の魔術によるものよ?」


(当然!というような顔でフローラは言っているけれど、それ何気にすごいことだからね?!400年間その効果が持続するとか、もはや異常ですから!!)


「あ、アハハハハー。サスガハ魔女様、桁違いの魔力の持ち主だね」


ようするに魔女を恐ろしい対象として恐怖しつつも、こうして魔女の恩恵にあやかっているのもまた事実なのだろう。


(まぁ今回私はその恩恵に救われた……というか、死因の最も有力な可能性を潰されたわけですが。

さて正直に言いましょう!

うん、ひじょーーっにマズいですね、今の状況。

もう昼で、問題の夜(今日という最悪の想定をした場合)まであと半日しかない。

なのに可能性は潰されて、結局白紙に戻ったわけだ。さぁ、どうする渡 結衣……とりあえず、今聞けることは聞いてしまうしかないよね?)



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