闇の中で
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第二章、スタートです。
ここは一体どこだろう。
何故だか意識が朦朧として、いまいち状況の把握が追いつかない。
さっきまでの華やかな景色は一転し、周りは自分の身体すら見えないほどの、どこまでも続く漆黒の闇で満ちていた。
あ、れ……私確かさっきまで……
────っ!!
ドスッという嫌な音。私の名を呼びながら吐いた、赤い───赤い、血の匂い。
そして何より……
止めようと必死で矢に手を伸ばし、届かなかったときの絶望感。
それらすべてが一気に私の記憶から溢れ出し、私の精神をずたずたにした。
そうだ、私は……
守れなかった。
こうなる未来を知りながら、一人の運命を変えることができなかったんだ。
私は調子に乗っていたのかもしれない。
ビックイベントに勝利して、バッドエンドになるのを防ぐ流れになったと思い込み、フローラの感謝の言葉に浮かれ、運命というものを軽視し過ぎていたのだろうか……
「フローラ……」
あれがすべて夢であったなら。
私はただひたすらに自分を責めた。
漆黒の闇の中で、何度も、何度も。
『やり直したいの?』
「───誰っ?!」
その“声”が聞こえたのは、本当に突然。
まるで自分の心を見透かしたような問いかけと、姿の見えない恐怖で、私の緊張は自然と高まる。
そんな緊張すらも見透かし、その上気にしないかのような声音で、その“声”は続けた。
『願いなさい。強く、あなたの望みを』
『大丈夫、あなたにはその力がある』
『変えなさい、彼女の悲しき運命を。そして……』
そこまで言うと、“声”は再び突然消え、あとには疑問を山ほど抱えた私だけが残された。
今のは一体……
それに力って……今その運命を変えることができなかった私に、一体何の力があるというの?
聞きたいことはたくさんあるのに、考えれば考えるほど、頭は混乱する。
だけどもし、私にやり直すチャンスがあるというのなら……
強く願うよ、フローラを助けるために。
自分の使命を果たすために。
「もう一度、あの世界へ」
そう願った途端、パア───ッと周りの漆黒の闇が、突然神々しいまでの光へと変わる。
そのあまりの眩しさに、私は思わず目を瞑ったのだった。
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『そう、あなたはやっぱり選ぶのね。誰かのために、運命を変える過酷な道を───』
『ならばあなたに託し、見守りましょう。あなたを選んだ者として。次こそは、失敗しないと良いのだけれど……』