魔女戦争①
やったぁぁ!!夏休みだ!!
書けたぁぁぁ!!!(歓喜)
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「……それで、お主が前線に出て戦うということ、あやつは承諾してくれたのか?」
国王の言葉に、フェリナは悲しげな表情でふるふると首を横に振った。
「クレアは……あの子は、私が後衛とはいえ戦場に赴くと決まったときでさえ、嫌がりましたから。それが前線ともなれば、承諾をするはずもありません」
彼女の返答に、国王は深いため息をつく。
「そう、であったな……だが、光の魔法は癒しの魔法。攻撃する術を持たぬお主を、前線へ出させたがらないのも、仕方の無い事とも言えよう?」
姉想いのクレアの事を考えると最もな国王の言葉に、今度はフェリナが深いため息をつく。
「……ですが、国王様。私自身の気持ちはもう既に決まっております。元はと言えばこの戦争は、私達魔女の存在を疎んでのもの。その元凶の1人である私が後衛にいては、士気も下がると言えましょう」
そう言って国王を見つめるクレアの目は、確かに覚悟の光を宿している。
そしてフェリナの言葉もまた、的を得ていた。
この戦争が起こる以前、他国は我こそはと躍起になって、強大な魔女の力を手に入れようとしていた。
だがその悉くが魔女達によって阻止され、何者も彼女たちの力を手に入れることは叶わなかったのだ。
いかに強大な力でも、手に入らないならそれは他国にとって、脅威でしかない。
そこで脅威的な魔女の力を排除すべく、彼らは同盟を組んだ。こうして起きたのが、今回の戦争なのであった。
「そう……か、そうだな。我々は何としてもこの戦に負ける訳にはいかぬ。そのためには、お主達姉妹がより近い距離で参戦することが必須だろう」
「えぇ。私達魔女の力は互いの距離が近い程に、それぞれの魔力が増大し、威力も高まりますから」
逆を言えば、フェリナとクレアの距離が離れれば離れるほどにその力は弱まって行き、威力も低下する。
だからこそ国王は闇の魔術を行使するクレアだけでなく、攻撃手段を持たないフェリナをも前線に出すという苦渋の決断をしたのであった。
「明日の早朝、私は前線に向けて出発します……とは言え、私が前線で出来ることと言えば、負傷者の手当て位のものですが」
フェリナは“手当てくらい”と謙遜するが、その手当てに救われた者の数は数え切れない。
彼女の魔術がなければ、被害は今よりももっと拡大していたであろうと、国王は心の中で思うのだった。
「そうか、承知した……頼んだ身で言うのもおかしな話だが、くれぐれも気を付けるのだぞ」
「はい、ありがとうございます」
フェリナの身を案じる国王の言葉に感謝して、フェリナは一礼する。
その光景の一部始終を見ていた結衣が次に瞬きをした時、場面は謁見の間から他の場所へと変わっていたのだった。
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次に結衣の目に映し出された光景は、人と人とが互いに血を流しながら戦う様───────戦場だった。
「クレア様!もうここは無理です、敵の数が多過ぎます!後退しましょう!」
エメラルド国の者と思われる兵士が、剣で敵兵の攻撃を防ぎながら叫んでいる。
その隣で、長く艶やかな髪を翻しながら戦う女性の手には、剣などの武器は見られない。
代わりに彼女の手からは次々と魔術が解き放たれ、前方の敵が一掃されていく。
その様子を見たエメラルド国の兵士たちからは、感嘆の声が聞こえてきた。
「エメラルド国の兵士たちよ、怯むな!我の魔法がついておる!」
クレアの鼓舞が、彼らの下がりかけていた士気を高めたのだろう。戦場のあちこちから、兵士たちの雄叫びが聞こえ始める。
「うぉぉぉーっ!我らがエメラルド国の平和のために!!」
「クレア様に続けーっ!!」
その様子にホッとしながらもクレアは、ある疑問を抱いていた。
(魔力が先程までに比べ、上がってきている……?おかげで魔術の威力は高まっているが……)
魔力量の増大、それが意味する事は、ただ一つ。
それは姉想いのクレアにとって、最も避けたかった事。
「フェリナお姉様が……こちらに向かっているのか!!」
前線には来るなと何度も忠告をしたのも虚しく、フェリナはクレアの元へと向かってきている。
その事実に苦い顔をしながらも、クレアは敵を倒して行った。
その度に、増大していく己の魔力を実感しながら──────────────
気候の変動が激しいですが、皆様お身体ご自愛くださいませ┏○ペコッ