リライムの葉
大変お待たせ致しました汗
大学生、案外時間が取れないものなのですね( ̄▽ ̄;)
お待ち下さった全ての読者の方々に、深く御礼申し上げます┏○ペコッ
「と、いうわけで……調べ物と言ったらやっぱりここに来るよね」
フローラとの昼食を終え満腹になった結衣は、城内で最も資料が豊富な王室図書館に来ていた。
幸いなことに、この非常時に王室図書館を利用している者はおらず、結衣は堂々と毒関連の書棚を見つけることができたのだった。
「さてと、一応これ全部目を通しておかないとだよね。似た状況を作り出せそうな毒があれば、シリウスさんに報告したいし」
図書館に備えられている机の上に、結衣はドサドサと本を乗せていく。
「……うっわぁ、これ全部読むのか」
ざっと数えただけでも数十冊の本の数に、結衣は長いため息をついた。
毒といえども、植物系の毒、人工的に作られた毒、または入手が非常に困難な毒など、種類は様々である。
それゆえに、これだけの量になっているのだろう。
「でも他に手掛かりになりそうな物なんて、ないしなぁ。仕方ないか……あっ!」
そう自分で呟いたのと、ほぼ同時。
結衣は何かを思い出したかのように、突然図書館の奥へと歩を進め始める。
そして、ある一冊の本を手に取った。
それはいつも彼女が困った時に読むと、何故か道しるべが書かれている例の本。
そう。
唯一魔女が遺した魔術書、“光闇魔術書”のことである。
「この本になら、もしかして何か手掛かりとなる記述が書かれているかもしれない!」
そう期待を抱いて、彼女はパラパラとページをめくっていくが、相変わらず白紙の部分が大半を占めているようだった。
しかし、期待はずれかと結衣が諦めかけたその時─────
「あっ、ここだ。やっぱり……読めるページが増えてる!!」
目的である、新たに読めるようになったページが現れたのだ。
気持ちが流行るのを落ち着かせ、結衣はまじまじとそのページに目をやった。
しばらくじっと内容を読んでいた結衣だったが、その表情はだんだんと険しくなっていく。
「な、何これ……もしここに書かれている毒が、今回使われていたのだとしたら……っ!!」
読み終え、自身の顔の血の気が引いたことにも気付かず結衣は、一目散にシリウスの元へと駆けていく。
彼女が読んだそのページには、東の魔女クレアが完成させた、とある毒に関する記述が記されていたのだった。
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〈リライムの葉〉
魔女の故郷である“リライムの谷底”でのみ採取することができる。しかし故郷の正確な場所を知るものは極わずかなため、基本的に手に入れることが出来るのは我々魔女のみ。
効能:
茶葉として使用すると、香り・味ともに心身をリラックスさせる効果を持つ。
しかし個人差はあるが、数回の服用により中毒症状が発症し、服用が一定量を超えると死に至る。
中毒症状:
個人差はあるが、効果が切れると次第に頭痛、倦怠感、風邪症状などが発症する。
服用量が増えるにつれて、これらの症状も強くなるため、それを取り除くために再び服用したい衝動に駆られる。
注意点:
光の魔女の解毒魔法には要注意。
また、相手に毒だと気付かれると服用してもらえなくなるため注意が必要。
あれ?そういえば以前茶葉を大量に購入していた人がいたような…………( ̄▽ ̄)