第5章 プロローグ
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お待たせしました!第5章、スタートです♪
「ごちそうさまでした。あー、今日も朝から美味しいものを沢山食べれて幸せだよ~」
今朝の朝食のメニューは、おかわり自由のふわふわパンに、イチジクのような味の美味しいジャム。
そして、甘く味付けられたふわふわのオムレツであった。
それらを美味しそうに完食し、呟いた結衣にシリウスも微笑む。
「そうだね。初めて会ったときよりも、ユイさんは健康そうな身体になったようにみえるよ」
「えへへ、そうですか?シリウスさん」
「あぁ、そうだな。太ったな」
クラインの一言で、ほのぼのとしていた空気に亀裂が走る。
「……ちょっとクラインさん、外でお話しましょうか?」
静かに食事の間の扉を指差して笑う結衣を見て、フローラが慌て始める。
「ぼ、暴力はダメよユイ!クラインもそんな事を言っては、ユイが傷付くわ!」
「……否定はしてくれないのねフローラ」
溜め息混じりに言いつつ結衣は、自分の脇腹をこっそりつまむ。
(うっ。以前に比べて、確かに少し肉付きが良い……)
やはり以前危惧した通り、体重は増加しているようだった。
しかし元々が細身で軽いため、周りからすれば良い傾向に思えるのだが。
「まぁまぁ。まだ若いのだから、沢山食べて沢山大きくなればよいではないか」
「それはそうなんですけども!」
ふてくされている結衣を見て、カイトも国王の言葉に続く。
「あぁ、向こうではやっぱり満足には食べられなかったんだな……ごめんな、不甲斐ない父のせいで……!!」
そう言って悔しげな表情をしてみせる父の態度に、結衣は怯むしかない。
「な、なんか卑怯だーーっ!」
「ハッハッハ、元気が一番だぞユイよ。それはそうとクライン、シリウス、わしに用事があるのであったな」
「はい、リーズベルトの一件で主にご報告が」
聞き慣れた“リーズベルト”という国名に、結衣の耳はピクリとした。
そして自分の横に座るクラインに、こっそりと耳打ちする。
「シュバイン、また何かやらかしたの?」
「ん?いや、まぁシュバイン絡みだが、もう解決済みだよーーーって、お前どうしてあいつの名前を覚えてるんだ?!」
突然大声を出したクラインに、周りにいた皆が驚く。
だがそれ以上に結衣は、彼の言葉の意味が分からなかった。
「え……ちょ、ちょっと待って!覚えているも何も、フローラをあんなヒドい目に遭わせた首謀者なんだよ?!忘れるわけないじゃない!」
「いや、そうなんだがそうじゃねぇんだよ……ったく、一体何がどうなってんだ」
クラインの曖昧な返答に、どうやら自分の知らない間に何かがあったようだと結衣は察した。
(それにしても、何か引っかかるんだよね。クラインのさっきの言葉)
なぜ彼の名前を覚えているのかと、クラインは確かにそう言っていた。
それではまるで、他の皆は覚えていないのが当然とでもいうようではないか。
そこまで考えて結衣の頭に、ある一つの可能性が思い浮かぶ。
(まさか……いや、そんな。でもーーー!)
「シュバイン・リーズベルト……この名前に聞き覚えがあり、彼が何を行おうとしたのか、言える方は手を挙げて下さいませんか?」
自身の出した答えを確信に変えるため、結衣はこの部屋にいる国王、王妃、フローラ、シリウス、そしてカイトを見回し尋ねる。
するとその中の1人が、恐る恐る挙手をした。
しかしいくら待てども、それに続く者は現れない。
「カイト殿も覚えているのかよ!」
「……なるほどね。やっぱりそうだったんだ」
結衣の納得した顔に、王妃はうふふと微笑んでいる。
まるで、“ようやく気が付いたのね”とでも言いたげだ。
ハァ、と一つ溜め息をついて結衣は、うろたえているクラインを見た。
「クライン、シュバインに……魔女の嘲笑を使われたんだね」
結衣と快斗は覚えている様子。
さて、第5章は一体何が起きるのやら(゜▽゜*)ハラハラ