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子はやはり親に似る

新たにブックマーク登録して下さった方々、ありがとうございます!

励みになります(//∇//)

予想もしなかったカイトの正体にしばらく驚いていたクラインだったが、気を取り直してカイトに話し掛ける。


「……えぇと、10年ぶりの親子の再会をあまり邪魔したくはないんだが、とりあえずカイト殿の用件を伺っても構わないか?」


用件と言われ、結衣を抱き締めていたカイトはハッと我に返った。

そっと、でも名残惜しげに結衣を腕の中から解放してクラインの方を向き直る。


「失礼しました。以前よりシリウス様から頼まれておりました“証拠”を、つい今し方発見し、持参した次第でございます」


クラインはシリウスがカイトに何を頼んでいたのかについての詳しいことは知らなかったが、先程の結衣の伝言により、おおよその事情は察していた。


(まぁ、おそらくデヴィールを追い詰めるための証拠だろうな)


「ご苦労だったな、受け取ろう」


言われてカイトが手渡したのは、何かが書かれた数枚の紙。


「ミハイル家、アモン家、ルシウス家ーーー他にも書かれてるが、全部貴族家の名前だな。それに、この横に書かれた日付とグラム数にも理由がありそうに見える」


クラインの言葉で、カイトが何を渡したのか分かったのだろう。

サァァとデヴィールの顔は青ざめ、手が震えている。


「さてデヴィール子爵、これに見覚えはーーーその様子じゃ、聞くまでもないか」


「そ、それは私の物ではございませんぞ!おそらくここにいる執事のメモか何かでしょう!」


何か言い逃れをせねばと焦ったのか、慌てたようにデヴィールは自分の物では無いと言い張り始めた。


(いや、さすがにそれは無理があるって私でも分かるよ……)


クラインも結衣の気持ちと同意見なのか、呆れたように大きくため息をついている。


「言い逃れは構わないが、字を見比べば誰が書いたのかなど区別はつく。すぐには無理でも、貴殿の謹慎中には結果は明らかになるだろうな」


クラインの指摘で、もう逃げられないと悟ったのだろう。

デヴィールはその場でガクリと膝をついたのだった。

それを合図に、部屋に待機していた衛兵達がデヴィールを部屋から連れ出す。

新たな証拠が見つかったことから、自宅謹慎では証拠を隠滅されるかもしれないと判断したクラインの命により、城の一室にて謹慎することとなった。


「良かった、これでシリウスさんも満足してくれそうだ」


「あぁ、本当に助かった。危険な仕事をこなしてくれたこと、感謝するぜ。良ければどうだ?この後の結婚パーティーに、参加しないか?」


“シリウスへの報告も兼ねて”、とクラインはカイトに提案する。

返事に困ったカイトは、助けを求めるように結衣の顔を見てきた。


「いや何でこっち見るのお父さん」


「え、なんかお前貴族なったみたいだし。そういう経験豊富なのかと、つい?」


「いや元は私も一般peopleだからね?!そんなに経験ありませんて!」


ガウガウと言い合う2人の様子に、クラインは思わず笑みを浮かべる。

ほんとに親子なんだなと、しみじみと実感しながら。


「再会して早々、離れるのもアレだろ。まぁカイト殿が嫌でなければの話だけどな」


クラインの言葉に、結衣からの否定の言葉はない。

照れそうで口には出さないが、心の中では離れたくないという気持ちの方が大きい結衣だった。


そんな結衣を見て、カイトも気持ちを察したのだろう。


「ーーーそれもそうですね。ご迷惑でなければ、ぜひ伺わせて下さい」


「じゃ、決まりだな」


(私の気持ちを察して、気を使ってくれたのねクライン。ありがとう!)


まだ父と一緒にいられる安堵感に包まれながら、結衣はクラインに心の中で礼を言ったのであった。


「あぁーーっ!シリウスの驚く顔が早く見たいぜ!あいつの驚く顔を見損ねるなんて、絶対嫌だしな!」


「……そっちが本音かっ!!」





そういえば何気にクラインとシリウスの両親だけ、登場したことないみたいですね(;゜д゜)

結衣、フローラは登場済みですが、アルベルト家の両親ってどんな人何でしょう?

兄弟揃って初期設定から、だいぶ勝手に暴走してくれてるので、作者にも分かりません(笑)


まぁ希望が無ければ登場しない可能性大(`・ω・´)キリッ

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