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決闘ークラインvsレオナー

総合ポイント400P突破しました!

お読み頂いている読者の皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです(〃ω〃)


めざせ、500P!

そう、それは遡ること5年前のことーーー。


バンッと大きな音をたてて屋敷の扉が開かれたかと思うと、一人の少女が姿を現した。


「帰ったわよ、クライーン!!」


その懐かしい登場の仕方に、駆けつけたクラインは目を見張る。


「ま、まさかお前ーーーレオナか?!」


身体は女性的な成長期を迎えているのが見受けられ、銀色の髪は後ろで一つに括られている。

5年前に別れて以来の再会で、女性らしくなって帰ってき来たいとこの姿に、クラインはなんだか気恥ずかしさを覚えた。


「こら、また呼び捨てしてるわね?……まぁ良いわ。さぁクライン、私と決闘しましょうか!」


「……ったく、帰って来たと思えばいきなりその話題かよ。いいぜ、望むところだ!」



そして数十分後。

アルベルト家が所有している訓練場の一つに、レオナとクライン、そしてシリウスが集まった。


「やぁレオナ、久しぶりだね。可愛らしさは相変わらずだけど、少し大人びたかい?」


「そう言うシリウスさんこそ、数年お会いしないうちに、より一層素敵な声になられましたわ!」


決闘前だというのに漂う和んだ雰囲気に、クラインは心底溜め息をつく。


「俺も声変わりしたんだけどなーーーって、いやそうじゃなくて!決闘、本当にするのか?レオナ」


クラインの質問に、シリウスと笑い合っていたレオナは急に真剣な表情になった。


「当たり前よ。そのために私はこの5年、必死で力を付けたのだもの」


その答えに、シリウスも深く溜め息をつく。

そして2人に木剣を渡すと、自身は少し離れた位置へ退避した。


「……ふぅ、心変わりはしないみたいだね。じゃあ2人とも、準備は良いかい?ーーー決闘、始め!」


そのシリウスの合図と共に、レオナの方が先に動いた。

ヒュッと木剣が風に乗って、クラインの膝を狙いにかかる。


「ーーーっと、なるほど?身長差を考慮しての足狙いか」


「冷静に分析していられるのも今のうちよっ!!」


クラインが剣を避けたと同時に身体を捻り、そのまま勢いを殺すことなく剣を上に突き上げる。


(速いな)


剣先が前髪を掠めたのを感じて、クラインは思った。

一旦距離を取り、今度はこちらから攻めに行く。

しばらく剣を交えながらクラインは、改めてレオナの動きを観察することにした。


一つ一つの剣撃はそれほど重くはないが、そこは攻撃速度と攻撃回数によってカバー。

力をいなす術を身に付けてきたようで、クラインの重い剣撃は、真正面から受け止めない限りそこまでダメージは受けていないように感じられた。


「すげぇよ、まさかここまで互角にやり合うとは思わなかった。レオナ、お前強いな」


「ありがとう、私は身軽さが武器なの。でもねクラインーーー」


その言葉と共に、レオナが地面を蹴って一気に間合いを詰めに来る。

咄嗟にクラインは剣を構えて防御の姿勢を取った。

剣同士がぶつかり合うと感じた直前、レオナと目が合う。


「互角じゃ、ダメなのよ」


レオナが言い終わるや否や、クラインは彼女の左手がある構えをしている事に気付き、一瞬身体が硬直する。その直後、額にビシッと衝撃が走った。


「ってぇーーー!!」


「はい、チェックメイトよ」


痛みでのけぞったクラインの首筋に、レオナの木剣が軽く当たる。

その様子を見てシリウスは、終了の合図を告げたのだった。


「あーっ!くっそ、思わず反射的に身体が硬直しちまった!!」


「どうしても勝ちたかったのよ、卑怯な手を使った事は謝るわ。ごめんなさい」


テヘヘと笑いながら謝るレオナに、クラインは首を横に振る。


「いや、どんなに卑怯な手であっても負けは負けだ。それを理由に責めたりなんてしねぇよ、正真正銘お前の勝ちだぜ?レオナ」


「女性の剣士は珍しいから、僕としても良い物を見させてもらったよ。レオナ、君は本当に強くなったんだね」


「ありがとうございます。でも、まだこんな手を使わない限りクラインには勝てなかったと思います」


ただ勝ちを喜ぶだけでなく自身の未熟さを反省するレオナの態度に、2人は彼女の剣士としての伸びしろを感じ取った。


「さてと、次は僕が相手をする番だよね」


「いえ、休憩します」


「「え?」」


まさかの返答に、クラインとシリウスは顔を見合わせる。


「だって今の実力ではクラインに勝つことも、ギリギリだということが分かりましたもの。シリウスさんに今挑んでも負けは確実」


「いや、でもレオナ。それは休憩を少しした後でもあまり変わらないと思うよ?僕との決闘は、僕の不戦勝ということで良いのかな」


休憩をしたところで、体力は戻っても実力が急激に上昇するわけではない。だからこその疑問であった。


「いいえ、それもダメです。私が休憩から戻って来たら再開させて下さい」


どうやらレオナは戦意喪失や、諦めたわけではないようだ。


「……よく分からないけれど、分かったよ。休憩後、始めるとしようか」


「それで、いつまで休憩するんだ?」


「んー、そうね。まずは修行の場に帰って修行し直さないと。数年はまた戻れなくなりそうだわ」


その言葉に、2人は思わず耳を疑った。


「ま、まさか休憩ってーーー」


「……数年単位なのかい?」


「えぇそうよ!だって休憩の期間なんて、誰にも決められていないでしょう?」


「「……なるほど」」


まさかの展開に少し…いやかなり唖然としながらも、2人は頷き了承する。

こうして決闘は休憩期間を挟むことになり、レオナは再び隣国にある修行の場へと戻って行ったのであった。


まもなく執筆開始して一周年。

そして来週あたりでお見合い編は終了予定です!

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