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3 MA☆HO☆U

ちょっとした世界観の説明があります。


「これが外の世界なんですね…ああ…私…生きてて良かった…うう…」


 横で大袈裟に喜んでるのはレイアだ…。

 初めて神殿の外に出る事が出来て泣いて喜んでいる。


 どうやらレイアは神様だったので神殿の外に出る事が今まで無理だったそうだ。

 ボッチの上に引きこもりとは救えないボッチ神様だ…。


「嬉しいのはわかるが、あんまり気を緩めるなよ。この先何があるかわからないんだからな」


 神殿の外はものの◯ひめ並みの大森林だった。

 地球なら世界遺産に即登録されるレベルだ。

 やべぇ…絶対し◯がみさまいるって!!


「あ…すいません…つい…でも大丈夫です!何があろうとハヤトさんの事は、私の命にかえても守りますから!!それに旅の間はありとあらゆる事まで頼って下さいね?だって友達ですから!」


「お…おう…ありがとう」


 なんだろう…少し友情が重たい気がするのは俺だけか?


 さて、どうして俺達がこうやって旅立つ事になったかというとそれは少し前にさかのぼる。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「帰れないってなんでだ?確かに石は無くなったけど、そこは神様パワーが有れば大丈夫なんじゃないのか?」


「そこが問題ないんです……実は私…今は神の力が使えないんです…」


「え?どうして?!」


「その…どうやら私の神の力は奪われてしまったみたいなんです」


「奪われたって…それは…この惨状と関係があるのか?」


「はい…私を襲った者のしわざと見て間違いないでしょう」


 襲った者…やっぱりレイアは誰かに襲われたらしい…しかし、レイアはまがりなりにも神様だ。神様を襲い、しかも力まで奪う事などできるのだろうか?


「なあ、レイアの力を奪うなんて事、そんな事は可能なのか?」


 レイアは首を横に振る。


「いえ…普通は不可能です。それどころか私に勝つことができる存在がこの世界にいるとは思いませんでした…」


「じゃあレイアを襲った奴に心あたりはないのか?」


「はい。それに襲われた時も一瞬で顔さえも見ていません…」


 うーん…これはどいう事だろうか?正体不明の奴がどういう理由かレイアを襲い、しかも力を奪っていった…。


 やはり目的は神の力だったのだろうか…

 それとも…


 いや、今は考えてもわからない…それより問題は……


「やっぱり俺が帰る方法はもうないのか?」


 これだ。今のレイアに昨日までの力はない…。そしてあの石もない。

 これはもしやつんでいるのではないだろうか?


 ああ…地球に帰れないという事はあの漫画の続きもわらかない…いやそれより問題はこのままだと俺は失踪者扱いになるのだろうか?それはまずい。かなりまずい!警察とか探偵に俺のパソコン履歴を調べられたり、俺の秘蔵フォルダを見られたりするのではないだろうか!?俺のアダルトな趣味が!エルフが!女勇者が!!モンスター娘が!!!それなら死んだほうがましだ!!ヤバイ…ヤバイ!俺の禁断の趣味が赤裸々にされてしまうぅぅぅう!!!


「いえ…一つだけ方法があります。それは…私の力を取り返す事です。そうすればハヤトさんをもとの世界に帰す事ができます!」


 何だって!?いやでも…


「取り返す?だけど顔も見てないんだろ?どうやってそいつを探すんだ?それに力を取り返す方法は?」


「私の力を奪った者の場所については、なんとなくですがわかります!それに力を取り返す方法もいくつかあります。もともとは私の力なので取り返す事は可能です」


 成る程…もともとレイアの力だから取り返す事は可能なのか。そして力さえもどれば俺を帰す事も可能と…。

 

「だが一番の問題がある…。その正体不明の敵に俺達は勝てるのか?それにレイアの力までもっているって事は、実質最強なんじゃないのか?」


「確かに敵の力は未知数です…でもこの方法しかハヤトさんをもとの世界に帰す方法がないんです!」


「…わかった。じゃあその方針でがんばるか!」


 正直言えばかなり不安だ…だけどそれしか方法がないなら仕方ない。

 それに今にも泣き出しそうなレイアにこれ以上詰め寄っても仕方ない…。だって彼女も被害者なのだから。


「はい!」


 さて、それじゃ気を取り直してこれからどうするべきか…。


 よし!レイアに聞いてみるか。


「とりあえず今後の方針も決まった所で、これからどうする?」


「そうですね…。今私の力はかなり遠くの方に感じます。ですからかなりの長旅になると思います。ですので旅支度から初めましょう!」


 そう言ってレイアは立ち上がる。


「ああ…わかった。でも身体は大丈夫なのか?さっきまであんな大怪我してたのに」


 そうだ。さっきから普通に話しているが身体は大丈夫なのだろうか?

 あの傷はちょっとしたトラウマになりそうだ…。


 俺グロ耐性そんなないんだよな~。やっぱリアル大怪我は洒落にならないな…。


「はい。ケガはもう完治しました!ハヤトさんのお陰です!あ…そういえば私、まだお礼を言ってませんでした…すいません。改めてハヤトさん!その…私の命を助けて頂き本当にありがとうございます」


 レイアがそう言って満面の笑みでお礼を言ってきた。


 あまりの笑顔にちょっと胸がドキッとしてしまった…

 本当に良かった。レイアを助けることが出来て。


「あ、ああ。別にいいって事よ。あと…その…俺の方も、これからよろしくな!」


 頬を掻きつつそう言った。

 ちょっと照れくさい…。


「はい!私の方こそこれからよろしくお願いします!!ハヤトさん!」



 そう言って二人で笑いあった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 さて、旅支度と言っても現代っ子である俺は旅なんてしたこともない…なのでレイアに任せようと思っていたら…


「ハヤトさん?やっぱり旅におやつは要りますよね?あ、あと水筒とお弁当もないと!」


 これである…遠足か何かと勘違いしてるのではなかろうか?


「なあレイア…もしかしてお前、旅とかしたことないのか?」


「え…はい!だからとっても楽しみです!!」


いやそうじゃない…。

そんな遠足前夜のテンションで返されても困る。

やはり残念美少女だ…。


「あのさ…わかってないみたいだけど旅ってのは簡単じゃないんだぞ?野宿は覚悟しないといけないし…夜、見張りをつけたり、お金や食糧の問題もある」


 いや、偉そうに言っているが俺のこの知識も漫画や小説の受け売りなのだが…

 するとレイアはしょんぼりしてしまった…

 ああ…そんな泣きそうにならなくても…


「ごめんなさい…ついテンションが上がっちゃって…でもどうしましょう?私達二人とも旅の初心者ですよね…」


 いきなり難問にぶち当たった…

 まだ旅もはじまっていないのに、これでは先が不安だ…。


「何かそういう本とかあれば良かったんだが、全部瓦礫の下だしな…」


 唯一の望みの本達も瓦礫の下で安らかにおねむり中だ…。

 レイアが心血注いで集めたオタクグッズ達…お前達の屍は拾ってやれないが、レイアの事は任せろ!!だから安心して眠れ…


「あ、そうでした!私のラインナップに確かそんな本もありました!ちょっと取ってきますね」


 そう言ってレイアは指先を瓦礫に向けてちょいちょいと感じで瓦礫をどけた…ていうか吹き飛ばした!?


「え~と~、どこにあるのかな?量が多いから探すの大変そう…」


 そうだな。確かにこの中からお目当ての物を探すのは骨が折りそうだ…

 て、え!?


「いや!ちょっ、ちょと待って!!今のってもしかして??その、アレなのか???ファンタジーによくあるあの!!」


「え…はい?その…ただの衝撃の魔法ですけど…」


 そう!魔法だ!!MA☆HO☆U!!!


「え?!なんで使えるの?今のレイアは神の力はないんだろ??」


 そうだ!なのにさも当たり前みたいに使えるの!?


「なんでって…あ、そういえば魔法の事、まだ説明してませんでしたっけ?」


 されてませんとも!

 けっこう大事な事を説明し忘れていたようだ…

 やっぱり残念だ…


「ああ、そこら辺の事、詳しく教えてくれるか?」






 レイアの説明によると、どうやらこの世界の万物には、例外なく多かれ少なかれ魔力というザ・ファンタジーなものが宿っているんだそうだ。で、その魔力を決まった法則で操る事によって世界に影響を及ぼすそうだ。それを総じて魔法と呼ぶらしい。なので魔法は万能ではないけどある程度の事は魔法でだいたい出来るそうだ。

 魔法マジ便利。

 そしてレイアだが、レイアは神の力は無くしたそうだが、魔力は普通にあるそうなので魔法を使う事は問題ないそうである。


 それでだ…


「俺にはその、魔力ってのはあるのか?」


 そうだ!これが重要だ!!俺にもあの不思議パワーMA☆HO☆Uがつかえるのか?!


「え…えーと…そのー、なんと言いますか…この世界の住人じゃないハヤトさんは……あの…」


 そう言ってレイアは目を反らす。


 まさか…そんな馬鹿な!!もしかして!もしかして!!


「魔力はありません。ですので魔法も使えません…」


 終わった…この世界に神はいない。

 いや目の前にいるけど…


「そんな…夢にまで見た魔法が使えない…だと…」


「あの…元気出して下さい!魔法が使えなくてもハヤトさんには良いところいっぱいありますから!!それに魔法なんてこの世界じゃ当たり前すぎて、むしろ使えないハヤトさんのほうが凄いです!!」


 そんな慰めなのかよく分からない事言われても、この絶望は拭えない…。


 まあとりあえず魔法があれば、旅も思っていたよりは大丈夫そうだ。

 俺は使えないけどな!!


「はぁ…じゃあさっそくお目当ての本を探すか…」


「はい!」




 それから本を探しだして、旅のいろはをなんとなくだが身につけた。

 その過程で、レイア秘蔵のちょっとえっちな本を見つけてしまって一悶着あったがそれは置いとこう。

 あの時のレイアの慌てぶりはやばかった。まさか魔法まで使って燃やすとは…



「いろいろあったがこれで旅立てるな!」


「そうですね。準備もしっかりしましたし!」


「よし!行くか!!」


「はい!ハヤトさん」



 そうして旅の第一歩を踏み出した!!









「て、夜じゃねえか!?」



 旅は明日からにしよう…




 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

 用語解説


【魔力】

 みんな持ってる

 ハヤトは持ってない


【魔法】

 超便利

 ハヤトは使えない


【ちょっとえっちな本】

 レイア秘蔵のお宝本

 ベッドの下に隠していた

 内容を知るのはもはやレイアだけ






魔法で文章を書きたいです。

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