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異世界に召喚された

――勇者召喚。


 石造りの薄暗い部屋で、唯一輝く魔方陣を見守る4人の巫女とそれを守護する騎士達。


彼女らはそれを行うほど、魔族との戦争に終止符を打ちたいのだ。



 そして、魔方陣の光は増していき――



――陣の中に二人の少年が召喚された。



 部屋に火が灯り「成功だ!」等と一人の騎士が言うと、次々に歓喜の声が上がる。それは女神達も同じ声を上げた。たった一人除いて――。



その声で目が覚めたのか召喚された片方の少年が起き上がる。


 金髪の髪に10の女性が彼を見ればイケメンと言うほども容姿を持っている。俗にいう好青年。



「う、う~ん。ここは……」


 少年は状況が分からないのか周囲にを見渡す。しかし、そこには己の知る景色はない。周囲には絶世の美女達と鎧を纏った集団。


己が知っている光景ではなかった。


 その為か、彼はどうしていいのか分からなかった。そんな彼に唯一の救いがあった。隣でうつ伏せで爆睡している少年。


自分の友人だ。とにかく起こそう!そう思った時、別の助け船が出た。



「勇者様!召喚に応じて下さりありがとうございます!」


「※$%#$%@!?」



 突然、自分に歩み寄ってきた金髪の美女に少年は更に困惑し冷静な判断が出来なくなっていた。


助け船のつもりがとんだ海賊船となってしまった。


 そもそもここはどこなのか。召喚というのも訳が分からない。


そして勇者扱い。



更に混乱する彼に、彼女は落ち着くように促す。


数十分。


 暫くして、落ち着いたのを確認する。



「申し訳ありません。いきなりこんな場所に呼び出された上に、いきなり勇者等と……」



「え?あ、もう大丈夫だよ。あはは……」


 そして、彼女の優しげな表情が突如消える。消えた表情の代わりに現れたのは、真剣なながら、不安が見え隠れする表情。



「勇者様。お願いがあります。私達の世界イザベラールをお救い下さい!」



「え?え?」



 彼女の言葉にまた混乱。



「申し訳ありません。いきなりお救い下さいは無いですよね。この世界は《イザベラール》ここはその大陸の1つ《メティス》にある光の神殿です。そして、貴方方を召喚した理由ですが、今、私達は魔王シュトラウス率いる魔族と戦争をしています。その戦争に終止符を打つべく召喚いたしました。」



その後、彼女は「お願いします」と頭を下げた。


彼女は必死だった。本当にこの戦争を終わらせたいから。


「うん。いいよ」


「え?本当ですか?」


「そのために呼んだんでしょ?」


「は、はい!!」


 彼女の表情に笑顔がまた現れる。それを見るとこの選択は正解だったとおもう。


自分はよくお人好しと言われる。でも困ってる人は放っては置けない、困った時はお互い様。


孤児院ではそれが当たり前だった。



「あの……」



「はい。なんでしょう?」



「名前、教えて貰えませんか?」


 何かを訪ねようと思ったが、彼女から名前を教えて貰って無かった。それに自分も名前を教えてはいない。



それに気づいた彼女は慌てた様子で


「す、すみません!申し遅れました。私は光の巫女シェラス・ホーリンスと申します。シェラスとお呼びください」



 シェラスと名乗った美女に続いてか、傍観していた他の2人も自己紹介し始める。


「まずはあたいだな!あたいは火の巫女シーラ・イフリーズだ!シーラでいいぜ!」


 赤い髪の美女、シーラは元気よく名乗った。この中では一番テンションが高いように思える。



「次は(わたくし)ですわね。私は風の巫女アイラ・シルフィーユ。アイラで構いませんわ」


 その次、今度は翡翠色の長い髪を持つ美女。この中では一番大人びているそのせいか巫女の中では一番年上に思えた。



だが、いまだ名を言わぬ巫女がいた。蒼く美しい長い髪を持つ美女だ。なぜか彼女は常にふてくされいた。




美しい顔が台無しだ。


そんな彼女にシェラスが一喝。



「フィオナさん!勇者様が目の前にいるのですよ。早く自己紹介を――」


「は?嫌よ。そんな木偶の坊が勇者?笑わせないでよ」


 蒼い髪の巫女はその一喝を遮るように言うと、他の巫女は彼女を睨む。そんな状況に彼女は気にもしてないのか飄々としていた。



緊迫とした雰囲気の中でも、蒼い髪の巫女は態度を変えず話始める。



「正直、この木偶の坊よりはあっちで爆睡してる奴の方がマシ」




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