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第七話

レフェル様 感想ありがとうございます。


名前出さないのって意外に辛いです。

慌てて外に出た剣道部の面々の目の前に居るのは黒い化け物だった。大きな手の中に黒髪を一本のおさげに纏めた少年が捕まっている。


「―――!」


銀色の髪の凛々しい雰囲気の少女が槍を構えて飛び出してきた。

化け物は少女をかわし、校外に逃げ出そうとする。すると雷の矢が化け物を貫く。


『ぎゃぁぁぁぁ』


化け物が悲鳴を上げた。

その拍子におさげの少年が化け物の手から放り出される。


「!」


はやてが走り出す……よりも前に黒い何かが高速で過ぎる。そして、おさげの少年を空中で受け止めた。

飛んできた黒いのはつばめだった。背中に黒い翼を生やしてその姿はさながら鴉天狗のようだ。


「大丈夫かー?」

「ありがとうね。新聞部のつばめ君」

「おうよ」


つばめがおさげの少年を降ろすとはやてがやってきた。

無意味に早くて目の前をちょっと通り過ぎて、ブレーキ音みたいな音がしてようやく止まった。


「つばめー」

「よーはやて」


つばめがはやての目の前に着地した。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。ありがとうね、君たち……剣道部?」

「はい」

「やっぱりねー。呉羽さん居るからさ、剣道部は有名だしね」


ぐがぁぁぁぁと言う声に全員が驚いて振り向く。すると先ほどよりも大きな雷の槍を茶色の髪の野性味あふれる顔の少年が投げつけ、化け物を貫いたところだった。

貫かれた中央から化け物は徐々に消滅していった。


「おーい、無事かー」

「うん、大丈夫だよー」


凛々しい顔の銀髪の少女と野性味あふれる顔の茶髪の少年がおさげの少年に話しかけた。

おさげの少年は笑顔で答える。なんともないようだ。


「おーい! 大丈夫か―――!!」


遠いところから声がする。見ると茶色の肩に掛かるほどの髪の少年が二年生の校舎の窓から大きく手を振って身を乗り出していた。


「だーいーじょーうーぶー! だーかーらー、戻って――!!」

「分かった―――!」


少年は身を乗り出すのをやめた。おさげの少年はホッとした顔をしている。


「ありがとうね、皆。とりあえず校舎戻らないと」


おさげの少年が促すと銀髪の少女と茶髪の少年は中へと入っていった。おさげの少年も後に続く。

三人が見えなくなった後でつばめがうぁぁぁと叫んだ。


「つばめ?!」

「さっきの取材すればよかったぁぁぁ」

「「…………」」


あー、こいつはこういう奴なんだって改めて再認識したはやてと遠子だった。

呆れる二人を見てなるほどと納得した剣道部の面々だった。


「なんでっ、こんなのにっ、追われてるんですか!!」

「しょーがねーだろ! 俺、お尋ね者だし」


相手のどう見ても兵士にしか見えない連中を蹴散らし、ほむらと青年は進む。


「あああああっ、もう! そら!!」

『しょうがないね』


呆れたようなそらの声がしてほむらと青年は影に飲み込まれた。


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