第三話
元の空間に戻って来た。少女が少年に礼を言う。
「あの、悪魔さん ありがとう」
「いや、君の助けになったならよかったよ」
よかったーと笑う少年の笑みに
「う、うん・・・・」
少女は一瞬たじろぐ、自分の中では納得できたとは言え周囲の目はまだまだ厳しいのだ。
少女の様子に気がついた少年がちょっと考える仕草をして少女に話し出す。
「・・・・そういえばだけどね、異形や異能ばかりが集まる学園があるって知ってる?」
「・・・・(ふるふる」
そんな学校があるのだろうか、聞いたこともない。
「君さえよければそこに転校しない?」
「え・・・・」
突拍子もない話が続き驚く。
「実は僕、弟がいるんだよね。そいつも僕もちょっと変わった能力があるからさ。故郷で変な目で見られててそれが理由で家族でそこを飛び出して、学園に拾われたんだ」
「・・・・・」
「もし、君が周囲から変な目で見られてて それが辛いならどうかな?」
「・・・・お父さまに聞かないと」
「そっか、気が向いたら考えてよ。あ、そうだ推薦状書いておくよ」
少年が手持ちのメモに何かを書いて少女に渡す。
「はい、これさえ見せれば一発OKだから」
「・・・・ありがとう」
少女の笑みはとてもきれいだった。
◎
少女を見送った後、少年の影から声がした。
『全く、相変わらずのお人好しだね』
「ごめんごめん、でも放っておけなかったからさ」
まあ、彼らしい返答だと影の中の人物は納得する。
『そこは同意するよ。彼女、彼らとはいい友達になれるんじゃないかな』
「かもね、むしろあいつが引きずり込むと思うよ」
自分よりも綺麗な青髪にエメラルドのような目をした双子の弟を思い返す少年だった。
少女の設定変更しました。