美しき園
一人の少年は外に焦がれていた。
丈の合わない小さな服を着て、生傷の絶えない少年は、外の世界を夢見ていた。
(外に出れば、お家にいる化け物も追いかけてこられないのかな。そしたら僕は、きつくない服を着て、あったかいご飯を食べて、ふかふかの布団で眠れるのかな)
少年の家には、化け物が住んでいた。少年が気に入らないのか、事有るごとに暴力を振るい、罵声を浴びせる化け物が。
少年はその化け物に怯えていた。長い間ずっと、支配されていた。
或る日。化け物が家に帰ってこなくなった。
これは救いかと、少年は目を輝かせた。後のことなんて考えず、少年は衰弱しきった体で外へと出た。
「わぁ…。綺麗。綺麗、綺麗!」
少年の目に最初にとまったのは庭だった。
「お花が綺麗!」
花はすべて枯れ果てている。
「葉っぱ綺麗!」
地面はぐちゃぐちゃに成り果て、敷かれていた芝は見る影もない。
「わんちゃんだぁ!」
犬小屋であったであろうものに、なにかの肉塊が詰められている。丁度、肉塊は大人一人分の大きさをしていた。
「すごぉい!外って凄い!綺麗なものいっぱい!」
少年は無邪気に目を輝かせて笑う。
腐臭がする汚らしい庭で。
「お花のいい匂い!外に出られてよかったぁ」
嬉しそうに笑う。
庭は少年の楽園であった。
荒廃した地獄は、少年にとって天国であった。
こんにちは。もしくはこんばんは。あゆーです。
【美しき園】いかがだったでしょうか。
たまには偶には自分を出していこうかなと。好き嫌いは分かれますよねこういう系統って。私は好きです。
美園っていう地名を見た時、これはタイトルをこれで掌編を書けという天啓か?と思った記憶があります。そんな高尚な作品ではないんですけれど。
ではまた、次回の作品で会いましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。




