[日常]
とあるマンションの一室の扉の前にライルがたっている。
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「父さんに会いたいんだけど、いいかな」
ライルは目を大きく開けラッチに聞いた。
「別にいいけど?聞かなくてもいけるよ?というかライルの父さんとはしばらく会っていないのかな?」
ライルは少し下を向いて言った。
「うん。多分苦しい生活してるよ。アプリ盗めなかったし...一番下なんだ。」
「そうか...お気の毒に。別に討伐後は自動的に休みが入るから。覚えておいてね。」
ライルはもう一回目を大きく開けていった。
「あと、クレイド先輩の状態は?」
「ああ、大丈夫だよ。片腕は手術の結果くっついたらしい。時間があまりたっていなかったから、大丈夫だったらしい。」
「よかった...!」
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ライルの心はドキドキしている。なんせ何ていわれるかわからないから。それでもライルは汗だくでチャイムを鳴らした。
「はーい。」
ガチャ。扉が開き、久しぶりにライルは父さんに会った。父はしばらく放心状態だったらしい。
「...ライル?お前生きていたのか?!てっきり死んだのかと!」
「生きてるよ父さんー。もー。」
二人とも涙を流しながら笑顔になって話した。
ラッチもそのころ同じくとある一室の前に立っていた。
「...よし。」
笑顔でチャイムを鳴らし、ドアを開けた。そして元気な声で言った。
「ただいまー。待ってた?」
奥からドタドタ足音が聞こえる。出てきたのはラッチの弟と妹だ。
「わー!おかえりー!」
弟は10歳。妹は15歳。ラッチ自身は今19歳だ。
「帰っていたぞー。今日は美味いもん食いにでも行くか!」
「おかえりお兄ちゃん。あなたの知り合いか分からないけど、黒い服の人がさっき来たよ。お兄ちゃん探しているみたいで...うう...」
と妹が半泣き状態で言った。急にラッチの顔色が変わった。そして言った。
「...上に二人ともあがってろ」
ラッチが横を見ると黒い服の男が立っている。ハンター関係者じゃない。ラッチを見つけるとこっちに走ってきた。
「おいおいおめえ何日間待たせてるんだよぉ金金。」
借金取りだ。ラッチの家は5年前に両親から捨てられ、BPに借金を背負られた過去がある。
「...明日払う。今日はみんなでご飯を食べに行きたいしね。」
「ふん。事の重さもわかってねえのこいつ。丸いもん。うまかったぜ。」
ラッチはピタリと止まってしまった。そして顔から血の気が引いた。
「てめえのメスガキ、初だったらしいが貰ったぜ。金がねえなら体で払ってもらうんだ。ぎゃっはっはっは!」
「...は?」
ラッチは入り口付近にある棒を持った。
「お?棒でも持ってどうしたぁ?こう伝えとけ、兄ちゃんが来てもいまやられたことを話すな。泣くなよ。泣いたら殺すからな。って言ったら潔くうなずいてくれたよ。」
そして棒を足でおり思いっきり尖った部分を黒い服の男の腹に刺した。ラッチは真顔だ。
「ぎゃあ!ひっ...」
ラッチは男の目をめがけて棒を振り下ろした。そのあとは何度も刺しまくり、ラッチの入り口周りは血まみれになった。ラッチは男の死体をマンションの隣にある小川に捨てた。そして戻っていた。
「お兄ちゃん...今の声...なに...?」
二人が怖がっている。ラッチは笑顔で言った。
「大丈夫。虫が口の中入って逃げたよ。お金は払ったし、大丈夫!」
そのころクレイドは病室にいた。そしてウェイドと話をしていた。
「あのバグ、君の恋人を殺した張本人だった。その後彼女の死体は我々が処理したからBPが気付かなかった事件があるらしい。目撃者の嘘だってことにされてしまって、、申し訳なかったことをしたよ。ライル君には」
クレイドは言った。
「あのライルってやつは何なんですか?身体能力が高いと聞きましたが、決してハンター向きとは分からない。ラッチはやっぱ能天気だ。一回厳しくいってください。ウェイドさん。」
ウェイドは呆れた表情で言った。
「わかったよ...お大事によ。」
クレイドはウェイドが去ったのを確認してからベッドを思いっきり叩いた。そして泣きながら言った。
「う...やった...見てるか?お前...」
「お、もうこんな時間か。ライル、夜ご飯何がいい?買ってくるぞ?」
「いいよ僕が買いに行く。そうだなー炒飯でいい?」
「お、いいねぇ。気を付けて行ってきな」
ガチャ。扉を閉めるとライルは楽しそうにスーパーへ向かった。
途中の街の状況は最悪だ。大量のゴミ。ラクガキには「ネオシティー万歳」
街に出ると聞こえるのは「くそ政府。政府は金とヤりまくって金だけしか見てない!我々が今こそ立ち向かう時!」との大声。
途中には血まみれの路地裏や暴走族が暴れている。BPが街のあちらこちらにたって、最悪だ。
だがライルには構わない。父との久しぶりの再会。そっちのほうが楽しいし最高だったから。
「合計4086円です。決済アプリをお持ちですか?」
「いいえ、現金で。」
カゴに野菜を詰め込んでる時、ライルはふと不思議に思った。
「...あれ、俺ってグラズアーム殺したよな?」
まったく殺したという気持ちがなかった。
「...不思議なもんだ。バケモノ相手だと殺した感じなんか出ないんだな。」
その時、とある3人組が店内に発狂しながら入ってきた。
「BPはおかしい!我々の世界は終わったんだ!」
「人の命は簡単に消え去り、性犯罪が絶えない今日この時!」
「神に祈るのです!神がご怒りでもうそろそろ災害を起こすだろう!」
「人々は死ぬ!もう一度新たな世界を!」
「いたぞ!捕まえろ!」
その直後3人組はBPに抑えられ、棒で何回もぶん殴られている。3人組は言った。
「...あんたら何か隠してんだろ!バケモノとかいるんじゃないか?!この世の終わりが始まってるんだぞ?!今まさに神に祈ればあなたたちの罪は消え生き残ることができる!」
そう言い終わった後BPたちは3人組に向かって乱射した。
ライルは横を素通りし周りの人も素通りした。なんせいつもの光景だから。帰り道、ライルは考えていた。
(この世は終わってんのか、?まあそうだろうな。はは。考えても意味はないだろ)
マンションが見えてきた。しかしバーチャリアリティーが反応した。クレイドからだ。
[おい!今どこいる?!]
「父の家っす。どうかしたんですか?」
そういいながらライルは部屋のドアを開けた。その瞬間ライルの動きが止まった。
[緊急事態だ!落ち着いて聞け。]
ライルの呼吸が乱れる。
[グラズアームが、、脱走した!あいつ生きてたんだ!解剖の際...目を覚まして!]
ライルには勿論分かっていた。ライルの目の前は血であふれかえっているから。
[おい、聞こえてるのか?!]
「あ、、、あ、、」
父がグラズアームによって食べられていた。




