ふるだけで
女盗賊たちは、つるぎをかまえてならびました。
11人、ぜんいん女。かみの色も、目のかたちも、動きもばらばら。
でも、うごきはそろっていました。
「これ、ただの盗賊じゃないな」
くまさんが言いました。
リュミエール姫がささやきました。
「帝国の特殊部隊…かもしれない。動きが、軍のそれです」
金太郎は、パンをかじっていました。
「おれ、ねこさがししてるだけ」
そのとき、女のひとりがとびかかりました。
はやい。風よりもはやい。
でも、金太郎は、つるぎをふりました。
「キンキンキンキン!」
空がゆれました。
女のひとりは、ふっとびました。
でも、地面には落ちませんでした。
空のなかで、時間がとまりました。
兵士がさけびました。
「空間が…折れてる…!」
「剣の軌道が、因果をねじまげてる!」
女盗賊たちは、うごきをとめました。
「これは…ちからじゃない」
「これは、世界のしくみそのものだ」
金太郎は、つるぎをおさめました。
「ふるだけだよ」
女盗賊のリーダーが、つぶやきました。
「あなたは、帝国がさがしている“理の器”かもしれない」
「帝国?」
「この世界を、つくりなおそうとしている国。わたしたちは、そのために動いていた」
リュミエール姫が言いました。
「帝国が、世界の理をこわそうとしているなら…あなたは、そのカギになる」
女盗賊たちは、つるぎをすてました。
「あなたに、ついていきます」
「えっ」
「あなたが、すきです♡」×11
くまさんは、つぶやきました。
「これ、もう数えるのやめようか…」




