ひめと、つるぎ
金太郎は、山をこえて、となりの国へむかっていました。
くまさんといっしょに、道をあるいていました。
そのとき、さけび声が聞こえました。
「たすけて!」
「馬車が…!」
「魔物が出た!」
金太郎は、かけよりました。
白い馬車が、木のかげでゆれていました。
おおきな魔物が、つのをふりまわしていました。
兵士たちは、ふるえていました。
金太郎は、つるぎをふりました。
「キンキンキンキン!」
魔物は、ふっとびました。
木も、石も、空も、しずかになりました。
馬車のなかから、女の子が出てきました。
金のかみ、青いドレス。
「わたしは、リュミエール。となりの国の姫です」
「おれ、金太郎。ねこさがししてる」
「あなた…いま、なにをしたの?」
兵士のひとりが、つぶやきました。
「魔物の動きが、止まった…いや、時間がゆがんだ…」
「剣をふっただけで、空間が反転した…」
「これは、ただの力じゃない。これは…因果の操作だ」
リュミエール姫は、金太郎を見つめました。
「あなたは、世界の理にふれている…」
「おれ、ふっただけ」
「でも、わたしは見た。あなたは、神の剣を持っている」
金太郎は、よくわかりませんでした。
でも、姫は言いました。
「わたし、あなたについていきます」
「えっ」
「あなたが、すきです♡」
兵士たちは、あわてました。
「姫、そんな…!」
「だいじょうぶ。この人なら、世界をなおせる」
くまさんは、つぶやきました。
「これ、またふえるやつだな…」




