カプセルのなかのこえ
古代人の街は、しずかでした。
石の壁、光のない空、でも空気はあたたかかった。
金太郎たちは、地下の広間にたどりつきました。
そこには、9つのカプセルがならんでいました。
中には、少女たちがねむっていました。
髪の色も、目のかたちも、声もちがう。
でも、みんな、なにかを“知っている”顔でした。
エリシアが、壁の文字を読みました。
「これは…世界のはじまりの記録」
「この9人は、“原初の乙女”――世界をつくった者たち」
リュミエール姫がつぶやきました。
「帝国がこわそうとしている理、それをつくったのが彼女たち…?」
カプセルが、ひかりました。
少女たちが、目をひらきました。
そして、いっせいに言いました。
「あなたが、金太郎」
「あなたが、“ふる者”」
「あなたが、世界のゆらぎ」
金太郎は、パンをかじりました。
「ねこ、さがしてるだけ」
少女のひとりが言いました。
「ねこは、“理の残響”」
「この世界がこわれるとき、記憶だけがのこった」
「それが、ねこ」
くまさんは、火を見ながら言いました。
「じゃあ、ねこは、世界そのものか…?」
少女たちは、金太郎のまわりにあつまりました。
「あなたの剣は、ふるだけで、世界をゆらす」
「でも、それは、なおすためのゆらぎ」
「あなたは、“終わりの器”」
金太郎は、つるぎを見ました。
「これ、ふるだけだよ」
「それが、すべて」




