おちたあと
空が、さけました。
帝国旗艦「アウダパウパドポリス」が、黒い光をまとっていました。
その中心に、超兵器「エテメンアンキ」がありました。
それは、かつての空と地をつなぐ塔――でも、いまは、すべてを消すためのもの。
「これ、こわれる」
くまさんが、空を見て言いました。
リリの歌は、かき消されました。
エリシアの文書は、風にとびました。
金太郎は、つるぎをふりました。
「キンキンキンキン!」
でも、光はとまりませんでした。
空がしずみ、地がうねり、都市が消えました。
そして、地面が、ぬけました。
金太郎たちは、空から地へ――
地から、さらに下へ。
おちて、おちて、おちて。
風もなく、音もなく、ただ、深く。
そして、そこに、街がありました。
石でできた、しずかな街。
ひかりはなく、でも、空気はあたたかい。
「ここ…なに?」
金太郎は、パンをかじりました。
エリシアが、壁の文字を読みました。
「これは、古代人の記録。世界がまだ、理を知っていたころの街」
「ねこ、ここにいた?」
「かもしれない。ここは、記憶の底」
リュミエール姫が言いました。
「帝国は、地上をこわした。でも、ここは、まだ生きてる」
くまさんは、火をともしました。
「これ、ほんとうに世界の底だな」
金太郎は、空を見ました。
空は、もうなかった。
でも、ねこは、すこしだけ、ふるえました。




