しるしの27
金太郎たちは、アウルムを出ました。
風がふいて、道がつづいて、空がひろがっていました。
目的地は、知識都市アレクサンドリア。
そこには、大きな図書館がありました。
金太郎たちは、アレクサンドリアにつきました。
まちはしずかで、石が白くて、空が広かった。
でも、いちばん大きいのは、図書館でした。
「ここ、ねこいそう」
金太郎は、つるぎをかついでいました。
くまさんは、つぶやきました。
「ここは、世界の理を読む場所だ。おまえの“ふるだけ”が、書かれてるかもな」
図書館のなかは、しずかでした。
本が山のようにありました。
そのまんなかに、女の人がいました。
白いかみ、黒いふく、目がするどい。
「わたしは、エリシア。古文書を読む者です」
「おれ、ねこさがしてる」
「それは、世界の記憶です」
エリシアは、古い本をひらきました。
そこには、金太郎の名前がありました。
「この世界がくずれるとき、“金の子”があらわれる」
「その者は、つるぎをふるだけで、理をゆがめる」
「そして、27人の“しるしの乙女”を集めることで、世界をなおす」
「しるしの乙女?」
「それは、記憶のかけら。世界の理を宿す器」
「その数は、27。すべてがそろえば、ねこは姿をあらわす」
金太郎は、パンをかじりました。
「おれ、ねこさがしてるだけ」
「それが、世界をなおすことになる」
リュミエール姫が言いました。
「いま、あなたのまわりには何人?」
「えっと…くまさんはちがうよね」
「それ以外で、16人」
エリシアは、目をとじました。
「あと11人。帝国も、さがしている」
「急がないと、世界がくずれる」
金太郎は、つるぎを見ました。
「これ、ふったら、世界なおる?」
「それだけでは、足りません。乙女がそろわなければ、理は戻らない」
くまさんは、火を見ながら言いました。
「これ、ほんとうにねこさがしなのか…?」
エリシアは、本をとじて言いました。
「わたしも、行きます。あなたのそばで、理を見たい」
「えっ」
「あなたが、すきです♡」
金太郎は、パンをかじりました。
「じゃあ、いこう。ねこ、そろそろ出るかも」




