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Netherworld ― 最後の狩人の道  作者: Rocket_Ghost


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第3B話 : 第一段階 ― 心理戦

任務への謎の招待を受けたノルは、椿とヒソカ、そして新たに加わった二人の狩人たちと共に、感情が試される心理ゲームのような冒険へ足を踏み入れることになる。

(マッサルとシゲルは数日間にわたり作業を続けている。土を掘って地下にバンカーを作り、金属部品を溶接し、台車で機械部品を運んでいる。階段が作られ、いくつかの区画は舗装されている。)


(ファクロが出発してから五日後。ノルは家の屋根の上でリンゴをかじりながら寝転んでいる。)


ノル・タケダ(心の声)

「ある賢者は“予想外を予想しろ”と言った。でも――予想外を予想した時点で、それってもう予想の範囲内じゃないのか?

じゃあ、予想内が予想外になるのはいつだ?

それとも、予想通りのことが起きたら、こっちが予想外の行動をとればいいのか…?」


はぁーー……退屈すぎる。


(木に矢が突き刺さる。)


ノル・タケダ

なんだこれ?


(矢に付いた手紙を取って読む。)

「親愛なる公式ハンター志願者へ。

エメラルドランクのマッサル、サファイアランクのシゲルが率いる任務のため、あなたを招集いたします。

明日午後三時、フォルテレサ湖にて集合。場所が分からない場合は、中央の村から北東へ三十キロ進んでください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。」


ノル・タケダ

うおお、任務だ! めっちゃワクワクする! ……でも俺、北東どっちか分かんないんだよな。

今回は諦めるしかないか。(紙をくしゃっとして投げる)


(再び矢が飛んで木に刺さる。)


ノル・タケダ

お、また手紙か。(読むと表情が明るくなる)

「中央の村でコンパスを買え……役立たず。」


……誰が役立たずだよ!!(怒)


(場面転換。ノルが湖に到着。ツバキとヒソカがいる。)


ノル・タケダ

やっほーー! ツバキ、ヒソカ、久しぶりぃ!


ツバキ・イカリ

五日しか経ってないわよ。(少し微笑む)


ヒソカ・アハネ

俺は会いたかったぞ! 抱きしめさせろ!(ノルを抱えて持ち上げる)


ノル・タケダ

ほら見ろツバキ、ちょっとはヒソカを見習えよ。


ツバキ・イカリ

それは無理ね。(控えめな笑みのまま)


(木々の影から二人のハンターが現れる。)


テンセイ・ブシダ

皆さん、こんにちは。やっと会えましたね。俺はテンセイ・ブシダ、十五歳です。こちらはジンジョウ・ワン。


ジンジョウ・ワン

は、はじめまし……(小さく会釈する)


ノル・タケダ

十五歳!? 俺、その年で試験落とされたんだけど……時代変わったなぁ。


(テンセイ、照れ笑い。)


ツバキ・イカリ

はじめまして。新しい顔を見るのはいいものね。


テンセイ・ブシダ

はい。俺、四日間探し回ってたんです。試験の生存者――最後の三人に会うために。


(ノル、ツバキ、ヒソカ:衝撃の表情。)


ヒソカ・アハネ

最後の三人って、どういう意味だよ…?


ジンジョウ・ワン

わ、わたしたちを……除けば……生き残っているのは……あなたたち三人だけ……です。


ノル・タケダ

そんな……嘘だろ。他にもいるはずだ。


シゲル

残念だけど、事実だ。

第一の村、生存者五名。

第二の村、生存者八名。

第三の村、生存者四名。


シゲル

そして今日の任務では、お前たちに四つの試練を受けてもらう。

それを通して、お前たちが本当にハンターに相応しいかを判断する。


(五人は困惑した表情を浮かべる)


シゲル

まずは、第一の村のお前たち三名が、第二の村の五名と――


ノル・タケダ

ちょ、ちょっと待って! 今なにが起きてるのか全然わかんないんだけど!


シゲル

ほら見ろ、役立たず。結局ちゃんと来れたじゃないか。

まぁそのうち理解できるさ。とりあえず覚えておけ。

これは“競争”だ。全力を出せ。死なない程度にな。(ニヤッ)


ツバキ・イカリ(真剣な目)

少なくとも、あなたが誰なのかくらい言いなさい。


シゲル

俺はシゲル。俺に会えたこと、光栄に思えよ。


(優雅にお辞儀しつつリモコンを取り出す)


シゲル

それじゃ、さらばだ。


(ボタンを押すと足元の地面が割れ、五人は地下へ落下する)


(シゲル、腕の通信機で話す)

シゲル

マッサル、落とした。すぐ向かう。


(場面転換:地下の鋼鉄の部屋)


ノル・タケダ

いってぇ……今のなんだよ!?


ジンジョウ・ワン(小声)

お、落ちました……。


テンセイ・ブシダ

いや、ジン、それ説明になってないから……(少し興奮して)


テンセイ・ブシダ

見ろよ、部屋の真ん中にゲームがあるぞ。誰かポーカーやる?

(箱からトランプを取り出す。複数のデッキ、床にはルービックキューブ、横にはテトリス型の木製パズルが置かれている)


ヒソカ・アハネ

(ルービックキューブを拾いながら)

これが……試練ってやつ?


(スピーカーから声が響く)


マッサル

ようこそ、新人諸君。“浄化の試練”へ。

この世代がどれほど使い物になるかを測り、不要な者を振り落とすための特別試験だ。

ここには四つのレベルがある。それぞれの謎を解けば出口へ進める。健闘を祈る。

第一ステージ――「頭脳ゲーム」。


ツバキ・イカリ

はぁ!? ふざけてるの? 私たちをここから出しなさい!(怒りを露わにして)


マッサル

高位ハンターには、新兵を任務に利用する権利がある。これはその一環だ。


ヒソカ・アハネ

無駄だよ、ツバキ。言われた通りにしなきゃ出られない。

まずは謎を解こう。


ツバキ・イカリ

(ため息)……わかったわ。

あなたたち二人、遊んでないでトランプを渡しなさい。(ノルとテンセイは床でポーカー中)


ノル・タケダ

ちょ、あと一枚で勝てるんだって!

(小声で)ツバキ、ハートの8が来れば勝ち確なんだよ。(手札に8が2枚、場にも1枚)


ツバキ・イカリ

……悪くない手ね。


ノル・タケダ

しーっ! 台無しにするなよ!


テンセイ・ブシダ

じゃあ……賭けをリンゴ10個に上げる!


ノル・タケダ

乗った!


(最後のカードがめくられる。スペードのキング)


ノル・タケダ

よし! スリー・オブ・エイトだ!


テンセイ・ブシダ

俺はスリー・オブ・キング。(ニヤリ)


ノル・タケダ

うわああぁぁ!! 俺のリンゴォ……

(崩れ落ちながら)ツバキ、リンゴ貸して。倍にして返すから。ほら、信用あるだろ?

(ヒソカとツバキは呆れつつ見ている)


ジンジョウ・ワン

あ、あの……こ、これ……どういう意味だと……思いますか……?


(全員が壁のカードを見る)


ハートの8、スペードの5、____、スペードの9

____、ハートの6、スペードの7、____


ヒソカ・アハネ(心の声)

壁にカード……か。


テンセイは他のデッキを開き、カードが揃っているか確認する。

ジンジョウはじっと見つめている。


ツバキ・イカリ

この壁にも変なところがあるわ。


ノル・タケダ

こっちの壁にもあるぞ。(ツバキとは反対側)


(場面転換:ヒソカとツバキがノルの場所へ集まる)


ヒソカ・アハネ

(ノル側の壁を見て)

一つは未完成の壁。

もう一つはキューブがはまりそうな四角い穴。

そして最初の壁にはカードの欠けた並び。


つまり――

カードは最初の壁、

ルービックキューブはツバキの壁、

そして木のパズルがノルの壁だな。


ツバキ・イカリ

思ったより単純ね。

この穴……キューブがぴったり入る大きさだし、完成させてはめればいいだけね。


ヒソカ・アハネ

三つのゲームを全部クリアすれば、この部屋の仕掛けが起動するってことだ。

よし、役割分担する。

ツバキはキューブ。ノルと俺が壁パズル。テンセイとジンジョウはカード担当だ。


ツバキ・イカリ

わ、私!? キューブとか……根気がいるの、本当に苦手なんだけど。


ヒソカ・アハネ

大丈夫だ。誰でも最初はそうだし、終わったやつが手伝えばいい。


(スピーカー)


シゲル

制限時間はあと八時間。

(ゲームのない壁に大きなカウントダウンが点灯し、左右の壁がわずかに狭まる)


ノル・タケダ

な、なんだよこれ!?


ジンジョウ・ワン

ご、ごめんなさい……

か、カードを……お、おもいつきで置いたら……こ、こうなっちゃって……ほんとうに……ごめんなさい……

(怯えて涙目。テンセイは気にも留めずカードを遊び感覚で扱っている)


ヒソカ・アハネ

気にするな。時間はまだ十分ある。

ただ……慎重になれ。どうやらミスをするたび制限時間が削られる仕組みみたいだ。


全員

了解!!


(時間経過)

ノルとヒソカは壁パズルのピースを組み合わせて順調に進める。

ツバキは額に汗を浮かべながらキューブを回すが、まったく揃わず焦りが募る。

テンセイは時折ツバキの手元をじっと観察する。

ジンジョウは床にカードを並べ、何度も配置を考えるが前回の失敗がよぎり手が止まる。


(四時間後)


ツバキ・イカリ

(テンセイがじっとキューブを見ている)

もう無理! こんなの解けるわけない!

(キューブを投げ捨てる。完全に限界)


テンセイ・ブシダ

不可能じゃない。ただ、見えていないだけだ。


ツバキ・イカリ

見えてない……? 何が?


テンセイ・ブシダ

ルービックキューブには“型”がある。

お前はまだそれに気づけていないだけだ。まずは――


(スピーカー)


シゲル

制限時間は残り二時間。


(全員が焦る)


ツバキ・イカリ

えっ!? さっきまで四時間残ってたのに!


ヒソカ・アハネ

気づいたか?(ノルに視線を向けながら)


ノル・タケダ

時間が半分になった。最後の壁のピースをはめた時だ。つまり、課題を一つクリアするたびに時間が縮んでいくってことだな。


ヒソカ・アハネ

(最初にジンジョウがカードを並べた場面を思い出す)

オレはジンジョウのところへ行くよ。ツバキとテンセイを頼む。


(場面はツバキ側に戻る)


ツバキ・イカリ

それで……キューブ、解けそう?(時間が気になって焦っている)


テンセイ・ブシダ

ああ。少し時間はかかるけどな。(落ち着いたままツバキを見る)


ツバキ・イカリ

わかったわ、ありがとう。


(ヒソカとジンジョウの場面に切り替わる)


ヒソカ・アハネ

ジンジョウ、その……トランプのことだけど……


ジンジョウ・ワン

えっ、ま、まだ解……解けてない。ご、ごめんなさい……怒らないで……(怯えて手で顔を覆う)


ヒソカ・アハネ

(困惑する)落ち着いて、驚かせるつもりじゃなかった。ただ、最初にどう並べたか思い出してほしいだけだ。(少し気まずそう)


(心の声)

こんな反応をする人、初めて見たな……


リン・ハジメ

あっ……うん、ちょっと……並べ直すね。


8♥、5♠、4♥、9♠

3♠、6♥、7♠、2♥


ヒソカ・アハネ

うわ、早いな。どんな方法使った?公式とか?それとも暗号か何か?


ジンジョウ・ワン

だ、だい……斜めの順番で並べただけ……(抜けていたカードを置きながら)

5、7、9があって……足りないのは3。で、ハートは8と6……次は4と2。テ、テンセイが……最初の並べ方で合ってるって……言ってた。


ヒソカ・アハネ

(驚き、心の声)

……そんな単純だったのか?!

ま、まあ……確かに筋は通ってるな。よくやったよ、ジンジョウ。(微笑む)


ジンジョウ・ワン

あ、ありがとうございます……(嬉しそうだがまだ恥ずかしそう)


ヒソカ・アハネ

でもさ、テンセイは分かってたのにどうして言わなかったんだ?


ジンジョウ・ワン

か、彼は……こ、これは私たちがどれだけ……か、狩人として優秀か……確かめるための試験だって……全部解いちゃうと、私たちが……どこまで出来るか分からなくなるって……


ヒソカ・アハネ

なるほど……じゃあ、部屋に入った時から全部気づいてたってことか。

あいつ、普通の奴じゃないのに……普通の顔してるんだよな。(テンセイがキューブを組んでいるのを見る)


テンセイ・ブシダ

ほらな、最初の面さえできれば後は簡単だ。最初の面を崩さずに、反対の色がちゃんと対になるようにすればいい。


ノル・タケダ

言うほど簡単じゃなさそうだけど……まあ、さっさと出ようぜ。


テンセイ・ブシダ

ああ、出るさ。ツバキがキューブを解いたらな。


ノル・タケダ

……は?(衝撃で固まる)


(テンセイが完成していたキューブをわざと崩し、ツバキへ放る)


ツバキ・イカリ

ちょっと待って!解けてたじゃない!このまま脱出できたのに!(怒っている)


テンセイ・ブシダ

脱出するさ。ただ、お前が揃えればな。ほら、やってみろ。(あぐらをかいて座る)


ツバキ・イカリ

ふざけないで!これ遊びじゃないのよ……命がかかってるのよ!(怒りが増す)


テンセイ・ブシダ

じゃあ……俺の目を見て、"自分には出来ない"って言ってみろ。(笑みを消し真剣な表情に)

(ツバキはその視線に映り込む。真剣な表情になり、ノルとヒソカをちらりと見て、キューブを掴む)


(ツバキは焦り、時間は減り続け、空間は狭まる。立ったまま解き続け、手が震え、呼吸が乱れる)


ツバキ・イカリ

くっ……!できない……失敗したくない……みんなを裏切りたくない……(怯えと焦り、目に涙が溜まる)


テンセイ・ブシダ

大丈夫だ、あと少しだ。お前たち三人は扉の方へ下がれ。ツバキが終わるまで俺が付き添う。


ノル・タケダ

……わかった。


ツバキ・イカリ

テンセイ……できない……。無理……。お願い……キューブを完成させて……。

もし私のせいで誰かがケガしたら、私……(泣きそうで、完全にパニックになっている)


テンセイ・ブシダ

ツバキ、ごめん。そこまで追い詰めるつもりはなかった。

ただ……君たちがプレッシャーの中でどう動くのか見たかっただけだ。


ツバキ・イカリ

え……?(困惑する)


テンセイ・ブシダ

人は、ストレス下だと本性がよく出る。

ここに入った時から、君たちの“外側の性格”は大体わかったけど……

こういう状況だと、“内側”まで見えてくる。(小さく微笑む)

君の反応は、俺が想像していた通りだったよ。

でも……あの二人――ノルとヒソカは全く焦ってない。

なぜか、君ならできるって信じてるみたいだ。


ツバキ・イカリ

(キューブを見る)

……諦めたくない。私、みんなを助けたい。

でも……誰もケガさせたくない……(まだ落ち込んでいる)


テンセイ・ブシダ

じゃあ、こうしよう。

残り三十分になっても解けなかったら、俺が仕上げる。


ツバキ・イカリ

……約束してくれる?(視線は下、真剣で、緊張している)


テンセイ・ブシダ

ああ。もう一度、やってみよう。


(ツバキがキューブを取り、黙々と解き始める。表情は集中と冷静さへ変わっていく)


ノル・タケダ

ツバキ、焦らせるつもりはないけど……もうほとんどスペースがない。


ツバキ・イカリ

大丈夫……いけると思う。(微笑んだまま手を動かし続ける)


(最後の一面を揃える)


ツバキ・イカリ

や……やった……!見て!できた……本当にできた!

(さっきまでの冷静な顔から一気に喜びが溢れる)


テンセイ・ブシダ

よくやった。……でも、喜ぶのは外に出てからだ。(笑う)


(キューブを所定の場所にはめ込む。壁の圧縮が止まり、時計のある壁に隠し扉が開く)


マッサル・科学班

(拡声器越しに)おめでとう。レベル1突破。

階段を上がり、第二ステージへ進め。


(場面転換:監視室。複数のモニターに各レベルのカメラ映像が映る。

その部屋には、モニターを操作するマッサルと、布団で横になるシゲルがいる)


シゲル・ヴァイキング

どうだ、調子は?


マッサル・科学班

時間かかりすぎ。才能は……まあ普通だが、見ていて面白い。

村2のチームはもうレベル3に入るところだ。あっちは、そろそろ仮眠を取るだろう。


シゲル・ヴァイキング

なるほど……。ところで、あいつは気づくと思うか?


マッサル・科学班

明日の朝にはな。

任務はゴールド未満、同行者は最低一名。

つまり……誰かを連れて行くってことだ。


シゲル・ヴァイキング

そうか。

じゃあ、俺は寝る。明日は忙しくなる。


――終わり。




これは第3章の最後となります。楽しんでいただければ嬉しいです。

そして、物語は「台本形式」で書かれていますが、これは『Netherworld』第1章を担当していた漫画家が使用していた原稿の形に合わせているためです。

漫画版は漫画家の不在により無期限休止となりましたが、物語自体は小説として続いていきます。

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