本の与えた影響とインタビューをした人たち
【忘れられた祝祭】の一部が満喜子の夢小説の可能性が出てきたが、そんな事を知らない読者であるインタビューした人たちは、この本を読んで緋沙子が犯人ではと思い込んでいます。
特に第八章の【花の声】に出てくるエンジニアはかなり影響を受けている可能性があります。
この人、満喜子の本は知らないと言っていますが、254ページに【物好きな女だね】と言っています。満喜子はペンネームで書いたのに、どうして【女】と発言したのか。恐らくエンジニアは本を読んで、更に満喜子の事も調べたのでしょう。
更に緋沙子の家の近くで「じゃあ、死んじゃいなさいよ」と言う声が聞こえてきたと言い、白い百日紅が咲き誇っていたとあります。これは満喜子の本にある描写で思いついたのでは? と思いました。
だけど緋沙子の家にある百日紅は白ではない可能性もあるので、これはもしかしたらエンジニアが緋沙子を犯人とするように言っているのではないか? と思います。
こんな感じで色々な人に影響を与えています。
例えば家政婦の娘さんは緋沙子がブランコに乗って悪魔と契約したと話していました。これは緋沙子が操ったり、お願いして、事件が起きたように話しています。
刑事も緋沙子が裏で手を引いて、証拠がある古本屋を火事にするよう指示したと思い込んでいます。
この本のせいで、みんな緋沙子が黒幕と思い込んでいたり、確信しているようです。
また本を作る前に研究で話しを聞いた人達にも、洗脳のような事をしているようです。研究の手伝いで来ていたKがいたのだが、家政婦や緋沙子には会わせていないから。
恐らく満喜子は自分の思い描く事件の全容にするため、話しを合わせるようにインタビューをしたのではないでしょうか? その証拠に事件の家の廊下にミニカーが落ちているのだが、刑事の目線では泥が付いていません。だが家政婦の話しでは泥だらけと話しています。