ハイパー妄想タイムで考えた犯人
ここで陰謀論並みの斜め予想の犯人像を語ろうと思います。
帝銀事件では旧帝国陸軍が関わっていると言う噂があったり、そこを捜査しようとしてGHQにとめられたと言う逸話があったりします。犯人も冤罪では? とも言われて、単独犯と言われたが複数犯では? とも言われています。そう考えれば、この作品の事件も似ていますね。
そう言った事を考えて、この事件は戦時中からあった組織が関わっているのでは? と思いました。……緋沙子とは全然、関係ないけど。
大昔から地域の人々を助けた篤志家だと言われていたけど、その一方で国の暗部みたいな事をやってきたのではないのだろうか? そして権力を持ち過ぎたと言う事で殺した。実を言うと巻き込まれた人も関わっていたのか……とか。
あとは青澤家の血筋に恐らく海外の人がいると思います。多分クリスチャンの母親がハーフだったのでは? と考えます。
と言うのも第五章【夢の通い路一】で刑事が事件現場に入った時、学生服の青年がいたのを見て【柔らかい茶色の髪といい、色の白さといい】とあります。これは刑事が自分の息子も犠牲になっているのでは? と一瞬、不安になるのだが見た目で違うと気づく場面です。
この国で、しかも昭和四十年代に、茶髪の青年なんているのは普通でしょうか? もし髪を染めていたら眉をひそめるだろうし、地毛だったとしても多分黒く染めろと言われます。
満喜子曰く青澤家の子供たちは色白で他の子とちょっと違っていたらしい。だとしたら、茶髪の青年は長男の望では無いか? と考えます。
青澤家の屋敷には舶来品があったり、祖父は外国に留学していて、緋沙子も外国に留学して、そのまま外国の人と結婚したと言われています。
割と海外に縁があります。
またプロローグの次のページに【二十一世紀を見ることなく逝ったM・Pに捧ぐ】とあります。もしかしたら恩田陸先生の知人かもしれないけど、こういった文章はプロローグの前に書かれているはずです。
この【M・P】の文章の次に目次になり、第一章となります。
つまりプロローグ以外は誰かが書いた物語だったのでは? と思いました。そしたら【M・P】はいったい誰の事でしょうか?
普通に考えれば、物語を書いたのは順二の友人でしょう? だが【雑賀 順二】だとM・Pになりません。
というか【P】だと、日本の苗字では居ないです。という事は、外国の人? となります。
戦争の傷跡はすでに消えたが、その利権や秘密を持っていた青澤家を外国の暗部が潰したのでは? 緋沙子を生き残らせたのは、何も見えないから見逃したのでは? と思いました。
そして家政婦にはクリスチャンの奥様がこの世を儚んで一家心中をすると事前に教えて、自殺だと不味いので事件の様にしろと伝えました。そう、事件前にかかってきた電話です。
しかし十数年後、この事件についての本が出ます。その本があからさまに黒幕の存在を示唆している為、満喜子を探した。出版社にかかってきた電話でしょう。緋紗子かもしれませんが、もしかしたら別の人物かもしれません。
そして、その顛末を本にしたのでしょう。
……そんな陰謀論ぽい案がパッと閃いて、書いたけどそんな訳ないですね。