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実行犯の前に青澤家の人々について


 犯人を考える前に青澤一族について考えようと思います。


 家政婦の娘さんは青澤家は篤志家と言われ、悪い事を言う人が居ない家と言っています。ただ、悪く言う事に対して恐怖心を抱いているような感じもありました。

 次に満喜子の上の兄は大きな権力があったとも言っています。それで【見えない人間】と言ういわゆる【無敵の人】に殺されたのでは? と話してます。

 また作中では青澤家の奥さんはクリスチャンで慈善事業をしていたり、色々と活動をしていたようです。

 それに事件現場である青澤邸宅が取り壊しになる時、地域の一部の人々は反対していました。それだけ青澤家は慕われていたと言えます。


 だが順二の手紙にはかなり疎外されていると書いてあり【僕の事を蔑むように見ていたあの家の息子】や【我が家の偉大さを分からない余所者だと僕ら一家を疎外していたあの家の人たち】とも書かれあります。


 青澤家の話しでは無く、満喜子や順二の家の話しになるけど、彼ら雑賀家は割と金持ち、父親は会社でも地位の高い方だと思います。

 満喜子たちの家は【会社から借り入れた家】に住んでいたと書かれている通り、篤志家の近所に住める家を借りたと言うのは、結構高い地位にいます。予想として銀行の支店長とか。

 満喜子や順二、多分上の兄も大学に行ったのだろうけど、この時代の大学進学率は三十%くらいです。不倫で離婚していたとはいえ、養育費や進学の時のお金はちゃんと出していたのでしょう。もしくは母親の実家が太いパイプを持っていたのか。

 とりあえず、満喜子は最低でも中流家庭の上くらいの家の子だったと思われます。


 さて青澤家の長男の望君と友達になろうとして、恐らく順二は失敗しています。それでも何度もアタックをしていたのでしょう。

 多分青澤家ってお客さんがいる時は、かなり着飾ったような感じの家だと思います。でもお客に気づかないと、ものすごく嫌味や毒のある話しをするし、人を蹴落とすような計画も話しているのでは? と思います。

 現に第十三章で緋沙子は朝起きると家族の言葉で絶望と落胆をしています。


 そしてクリスチャンの奥さんが周りを犠牲にして緋沙子の視力を取り戻すような事をしたように満喜子は語っています。

 だが緋沙子は母親に監視されているように言っています。

 また第九章【幾つかの断片】では、緋沙子の母親の言葉が書かれていますが、【人間は罪深いの】とか【悔い改めなさい】とか【自分の背負う罪を自覚するのが大切なのよ】など、何かを犠牲するよりも、自分の罪を認めろとか悪い事をしたら誰かが見ていると言っています。どちらかと言うと、何かを犠牲にして目を治すより、罪を受け入れろと言う考えの人間に見えます。

 なので母親が犠牲にしてと言うのはあり得ないでしょう。


 では青澤家が蹴落とした人間がやったのだろうか? と思うのだが、多分遠くに追い出しているんでしょう。

 だが青澤家が手を下さないんだと思います。やっているのは地域の人々、青澤家の信者。


 どうして、そう思うのかは第十三章の順二の友人が「あなたが死ねと言えば、あの人はその通りにしたんでしょう」と言う言葉に否定をしなかった事。家族もまた遠回しな言い方で排除をしていたのでは? と思ったのです。


 そして事件があった青澤家で情報提供を警察は求めていたが、もし青澤家を恨んでいる人がいても悪い情報を言ったら、また酷い事をされると思って言わないようにしていたのではないか?

 更に青澤家の良い情報だけを出して行ったのではないのだろうか?


 だとしたら、実行犯は?




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