EP1
今日からまた憂鬱な毎日が始まる。今日は高校の入学式だ。新品の制服を着て学校に向かう。登校中色んな人が楽しそうに話をしていた。
「高校に知り合いの先輩結構いるんだよね。」
「そうなの?それなら高校も安心だね。」
そういった会話が聞こえてくる。僕は中学の知り合いが全くいない高校へと進学した。理由は簡単。逃げるためだ。恐怖で怯える生活はもう懲り懲りだ。なんやかんや考えていたが気づけば校門までたどり着いていた。人には興味等ないので自分のクラスだけ確認した。
教室に入ってみると同じ中学同士の人が多いようで教室は賑やかだった。僕は入学式が始まるまで机で突っ伏して寝ることにした。そんな時声をかけられた。
「なぁ、ここの席女子多くね。てか友達になろうぜ。」
いきなりで自分に声をかけているということに気づくのが遅れた。どうやら僕の前の席のようだ。
「え、えっと僕?」
「え、お前しかいないだろ」
「ごめん。それで友達?」
「そそ。俺石崎柊磨お前は?」
「僕は狭川陽翔」
「じゃあ陽翔よろしくな。」
「えっと、石崎くんよろしく。」
「えー。名前でいいんだけど。」
「それは慣れたらで。」
そうして僕は石崎柊磨という男と友達ということになった。石崎くんはものすごく話しかけてくる。どこの中学か、部活入ってたのかなど話のつきない男だ。気づけば入学式が始まるまでずっと話すことになった。
出席番号順の席じゃないです。