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4話 アカリの下層ソロ攻略 2


アカリは、ウルグを素通りして歩くとそこで止まる。




<コメント>


■へっ?


■何だって!?!?!?


■斬った???


■どういう事???


■まっ待って!よく分からなかったぞ!!!


■何かチンッて音がしたぞ。チンッて!!!




「アカリさんがウルグを斬りましたね。・・・・・ほら。」


ウルグにカメラを向けてズームする。


腕を上げて棒立ちしているウルグは、右腰から左胸まで赤い線が入り、そのままズレて地面へと上半身だけが落ちた。




<コメント>


■ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■マジかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■全然見えんかったぞ!!!


■ソラ!説明求む!!!


■ソラさん見えてたんですか???




コメントが流れる流れる。まぁビックリするよね。


「ハハハ。僕も全然見えなかったですよ。でも流石にずっと一緒に行動を共にしていましたから、アカリさんが何をしたのかは分かりますね。・・・・・おっと。ドロップ品です。」


僕は、倒れているウルグが徐々に黒い灰になっていくのを撮影しながら、残ったドロップ品を拾う。


「これは『ウルグの牙』ですね。回収します。」


そう言うと、リュックサックの中に入れる。

メンバーが倒したモンスターのドロップ品回収は僕の役目だ。




<コメント>


■ソラも見えなかったんかいw


■まぁソラも普通の一般人だからな。俺らと一緒で見れる訳ないかw


■そう言う事ですね。納得です!!!


■『ウルグの牙』の売買価格は確か1本数十万円だぞ。


■探索者協会のHPのモンスター図鑑見てますけど『ウルグの牙』・・・ほんとだ。いい値段!!!


■へぇ~流石下層ですね!価値が高い!!!


■いいなでごわす!!!


■どうやったのかアカリちゃんに聞いて!!!




僕はドロップ品を回収し終えると、アカリに向かって言う。


「それじゃ聞いてみましょうか。アカリさん!今のはどうやって斬ったんですか?ゆっくりお願いします。」


「ん?えっと・・・・・こうやって・・・・・こうしたんです。これで分かります?」


アカリは鞘から刀を抜きながら、ゆっくりと左下から右上へと刀を振る。




<コメント>


■へぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!あの一瞬で!!!


■全然見えなかったわ!!!


■すげぇな!!!


■アカリちゃん!カッコイイ!!!


■俺も斬られたい!!!


■僕も斬ってください!!!


■好き!!!




コメントが盛り上がっている。


「おっと。また来たみたいですね。」


足音が聞こえ、先を見ると、ウルグが4体こちらへとやって来ている。


アカリは素早く柄を握りながら走ると、左に2体。右に2体の間を体勢を低くし、前かがみにジャンプした。

ふわりと空中に浮かんだアカリは、両サイドにいるウルグの真ん中を通り過ぎる。

そしてゆっくりと着地する。




・・・・・・チンッ。・・・・・・




4体とも何が起きたのか分かっていない。そのままアカリの方へ振り向こうとすると、首だけが地面へと落ちた。




<コメント>


■ファァァァァァァァァァァァ!!!


■ずげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇl!!


■まじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■かっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■また見えんかったwww


■瞬殺かよwww


■下層のモンスターが瞬殺www


■アカリちゃん強すぎて草


■またチンッて音がしたぞ。チンッて!!!




「さて、倒したみたいですし行きましょうか!」


僕はドロップ品を回収すると、アカリと一緒に奥へ奥へと進んだ。

どんどん増えていくコメントを見ながら。




<コメント>


■でもさ、アカリちゃん何であんなに強いの???


■天才か!!!


■才能があったって事???


■アカリちゃんに質問!!!同業者です!!!どうやったらあんなに強くなれるんですか?


■あっ!それ私も知りたい!!!


■知りたいでごわす!!!




隣で歩きながら質問する。


「アカリさん。視聴者さんからの質問です。どうやったら強くなれるんでしょうか?」


「うん?」


アカリは少し考えたそぶりをしてからカメラに向かって笑顔で答える。


「それはね、とにかくひたすらダンジョンに潜るの。そして強いモンスターを倒す事・・・・・かな。」




<コメント>


■潜るってwww


■いやいやいやいや。アカリちゃん高校生でしょw


■アカリちゃん、探索者最強の『レベル7』だよね?


■確か日本で【星空】が出てきたのは半年前だよな?


■何かレベルが上げられる裏技とかがあるのか?


■他の探索者に比べても潜る時間ないでしょw


■やっぱり天才か?w


■アカリちゃんだから何でもいいよ。




それを見て僕が答える。


「あっ。僕達、外国で活動してたんですよ!」




<コメント>


■はっ?


■ん?


■へっ?


■今なんて?


■どうゆうこと???




「えっとですねぇ。実はアカリさんを含めた【星空】は、半年前に日本ギルドに登録する前まではずっと外国で活動してたんです。日本ギルドは知っている人は知っていると思いますが、17歳以上じゃないと登録できないですからね。ですからその前までは年齢制限のないインドのダンジョンで小さい頃から潜ってました。もちろん、一人前になるまでは、実力のある大人の探索者の同伴付きですけどね。・・・・・だから、メンバーの『レベル7』『レベル6』は外国のギルドで認定されたんですよ!」


アカリは日本の3本の指に入る大企業の一人娘。超がつくほどのお金持ちだ。


みんなが探索者になると決めた時から、週末になるとアカリのプライベートジェット機で連れてかれて、みんなでインドのダンジョン潜りだった。


・・・・・ホント意味わからんよね。・・・・・ちなみに僕はずっと安全な所で携帯ゲームで遊んだり、眺めて応援してただけなんだけどな!




<コメント>


■ほぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■そう言う事!!!


■意味わからんw


■マジかw


■すげぇなw


■次元が違いすぎるwww


■小さい頃からってwww


■死なないでここまで来たんだからこりゃ才能だなwww


■なるほど。理解したでごわす!!!




コメントが凄い勢いで流れる。本当に盛況だ。

さすが初めての下層動画。注目度が高い高い。

視聴者数を見たら、もう7万人を超えている。


フフフ。これはもっと伸びそうだな。


後、今回からスパチャ機能(投げ銭)を導入しているから、大小関係なく投げ銭してくれた人から答えていくつもりだ。


そのまま僕達は下層の2階層へと下っていった。


しばらく歩くと少し大きな広場へと出る。

その中央には、何か黒い物体がうごめいていた。


見ると、大人の人間ほどの大きさもあり、背中には黒いトゲが無数にある。

何て言うか、ハリネズミの様な見た目だ。

大きさはあまりにも違うが。

20匹以上はいる。




<コメント>


■何かいたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■何かでたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■何かいるぞ!!!


■アカリちゃん!気をつけて!!!


■うわぁ。ゴロゴロいるわw 何かきもいなw


■何匹いるんだよ。逃げた方がよくね???




僕はカメラを向けて黒い物体をアップにしながら言う。


「あれは・・・・・『マミー』というモンスターですね。集団で行動します。気をつけないといけないのは背中にあるトゲです。あのトゲには猛毒があって、かすっただけで数分後には死に至ります。ちなみにまだ解毒薬はありません。治せるのはダンジョンでドロップする【ポーション】位でしょうね。」




<コメント>


■ヤバくね???


■かすっただけで死ぬってw


■数が多すぎだろw


■あれはヤバい!我々のチームだったら、見たらすぐに撤退します!!!


■アカリちゃん!一人なんだから無理しないで!!!


■アカリちゃん!逃げて!!!


■ソラ!一度撤退だ!!!


■ソラさん!!!




皆が心配してくれている。


「心配ありがとうございます。でも大丈夫です。・・・・・アカリさんが出ます。」


アカリが広場の中央へと歩いて行く。

気づいたマミーがそのまま丸くなり、無数にある背中のトゲを突き出す。

人間サイズのウニの様だ。


そして、そのままその場でもの凄い早さで回転し、ダンジョンの地面を削りながら一気にアカリへと向かって行く。


マミーがアカリの目の前までくると空中へと飛び跳ね、回転しながら襲い掛かった。



「・・・・・シッ!」



アカリは迫りくるトゲのある球体を目にも止まらぬ速さで真っ二つに斬った。


半球となったマミーが斬られた勢いで、後ろにいる僕の左右に飛び散り、壁へと激突する。

数十匹いるマミーは、続けざま一斉にアカリに向かって攻撃を仕掛けていく。



一刀。



また一刀。



迫りくるマミーを全て一刀で真っ二つにしていくアカリ。



僕はその光景を真後ろで撮影しながら言う。


「どうですか皆さん!見てくださいこの臨場感!!!」




<コメント>


■ファァァァァァァァァァァァァ!!!


■こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


■ちょ!ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


■あっ!あぶねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


■目つぶっちゃう!!!目つぶっちゃう!!!


■つ~か、落ち着いて撮影しているソラwww


■普通に撮影しててウケるwww


■すげぇ度胸www


■ソラさん!怖くないんですか???




「えっ?あ~もう慣れましたね。小さい頃からですし、僕はアカリさんを信用していますから。・・・・・ほら見てください。ちゃんと斬ってもその残骸が僕に当たらない様に調整してくれてます。」


次々に襲いかかるマミーを目にも止まらぬ剣速で真っ二つに斬るアカリ。

その全ての残骸が僕の左右に避けるように綺麗に飛んでいく。

その光景を撮影しながら僕は言う。


「・・・・・何か、綺麗ですね。」




<コメント>


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!


■綺麗じゃねぇよ!!!






画面が全て同じコメントになった。




読んで頂きありがとうございます!

ブクマと星よろしくお願いします♪

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