せどり
軍資金を貯めるのに有効なのは株のインデックス投資。真面目に働き、支出をおさえて、コツコツと長期・積立・分散で投資信託を運用すること。10年、20年と長い歳月がかかるが、一定の資産を作るのには効果的。
もう一つ。ハジメがパッと思いつく、軍資金の貯め方。それが『せどり』だ。
転売とせどりはゴチャになる事が多いが、意味は異なる。基本は同じだが、転売は適正価格より高く買って、法外な値段で売りつける。せどりは安く買い、ちょっと値段を上乗せして、その差額で儲ける。
転売ヤーは迷惑のかかる転売をしている人を指し、悪意を込めて転売ヤーと呼ぶ。転売ヤーは嫌われるが、せどりは立派な商売の一つ。安く買って高く売る。商売の基本。
ハジメは、日本でゲームのせどりに手を出していた。
狙うのはスイッチ、PS4、PS5。ゲームのソフトは需給が不安定なため、ゲーム機本体を転売した。例えば、PS4などは生産ラインに時期があるので、冬に買って仕入れて夏に売るなどの季節差を利用して儲けた。ゲーム機本体は利用者が多く、根強い人気がある。
一昔前では、たまごっちのせどりで儲けた。500円で仕入れたたまごっちを5000円で売った。また、白のたまごっちは、1996年当時、6~7万円で売れた。なので、2000円のたまごっちを横流しした玩具店から高値で買い取り、それに1万円上乗せして売った。たまごっちブームは飛ぶようにたまごっちが売れた。
直近ではポケモンカード投資をした。同業者のポケモンカード投資家は年収が2000万円いった人もいた。
ゲーム機本体もたまごっちもポケモンカードも言えることはただ一つ。ビッグな市場を狙うこと。競争相手の少ないブルーオーシャンになることは好ましいが、ニッチ過ぎると市場が小さくなる。スモール市場は好ましくない。一大ブームを察知し、競争相手の多いレッドオーシャンになる前に市場を独占する。できれば一番か二番になるのが望ましい。まあ、ハジメは個人なので月の生活費を稼げれば十分。
株のインデックス投資、せどり、この二つを駆使して2000万円貯めると人生のステージが変わってくる。2000万円から、それを頭金にして不動産投資に手を出すと夢の1億円が見えてくる。ただし不動産投資はすっごく難しいので、不動産関係の本を100冊読んで、地域の大家の会に参加すると情報が集まり、不動産投資の成功確率がグッと上がる。
まあ、都心になるほど不動産の価格が値上がりするので、楽であり、田舎に住んでいたハジメはあまり縁のない話だった。ボロ物件をDIYしてリフォームする不動産投資もあったが、株と比べると不労所得感が出なかった。
1億円の利回りは別として、2000万円ならば株のインデックス投資とせどりで時間をかけて儲けられる。魔女の異世界でもせどりを活用しようと考えた。
勉強あるのみ。リサーチ&リサーチ&リサーチだ。
外泊するハジメが外出部隊に、イチエがスマホでリサーチする在宅部隊に、チームを編成。ハジメはイチエから離れて、意気揚々と市場調査に繰り出した。