王国の留学二日目
王国に留学して二日目。ハジメはスマホを使ったwebマーケティングを利用する。
「ブログ、SNSを作る」
王国にある漫画喫茶に行き、最先端のネット設備を活用する。
最初はイチゴ村のブログを作成する。なぜか魔女の異世界ではネット設備が充実し、スマホがあり、ブログやSNSの作成ができた。中央からの配布らしいが、中央凄い。
サーバーを借りてドメインを作り、ワードプレスでブログを制作する。有料テーマを買い、簡単なデザインを整える。素人なりに、パッとしたブログが完成した。
「すごい、ハジメ子は天才ね。ブログを作るお仕事をしていたの?」
「いや、現実世界で株のトレード以外にいろいろ手を出していたんだ」
ブログを作成してアドセンスで収益を得ていた。SNS運用の代行をしたり、webライターとして記事を執筆したりした。本当に、高校生ながらいろいろやったものだ。
イチエのスマホからイチゴ村の画像を取り出し、さすが村長の孫娘というか、たくさんの冬イチゴの画像や村人の画像が散見された。その中から映える写真をブログに掲載する。
次に、SNSの運営をする。使用するのはツイッター。魔女の異世界版のツイッターで、ツイートする。ハジメはSNS代行のノウハウをイチエに教えて、異世界でSNSのマーケティングをおこなった。
ブログやツイッターをアカウントを作った初日。PVはまったくなかった。閑古鳥が鳴いている。
「この調子で大丈夫なの?」
「ブログやツイッターは3カ月以上ゆっくり待ってPV数が伸び始める。気長に待つことだ」
イチゴ村のブログ。イチゴ村の村長の孫娘のイチエのツイッター運用。簡単な宣伝効果は期待できる。
最後に、ハジメは転売と株を探した。
魔女の異世界にこれだけのネット環境が整っているのならば、絶対にあるはずの市場取引。なのにハジメの十八番の株だけはどれだけ探しても出てこなかった。
「くっそ。ダメか?」
「ハジメ子はこれ以上、何がしたいの?」
「株式市場による企業間の株取引がしたいのに、できない」
「残念。中央の監視によって企業間の株取引は禁止されているわ」
株式投資はできる。なのに、中央の監視の目が厳しくて、個人で自由に株取引ができなかった。ネットを探しても情報は制限されている。スマホの転売はできる。
何かスマホやネットを使って転売でイチゴ村に寄与することはできないか? と模索する。
ジャム作り。果実酒。ブログ。ツイッター。転売。できることは全部やる。マーケティング用語に選択と集中という言葉があるが、それはたくさん事業を拡大して、初めて、どの事業を伸ばし、どの事業を切り捨てるのかが分かる。
ハジメも高校生の時、株式投資、ブログ、SNS代行、webライター、転売、ポイ活、イラスト販売、等の様々な副業に挑戦し、やっと選択と集中して自分に合ったのが、株式投資だったのだ。
高校生で2000万円を稼いだ天才株式トレーダーのハジメでも、水を得た魚のように泳ぐことはできない。得意の株式投資が中央に制限されていては、水のない干上がった魚だ。まな板のコイ。跳ねるしかできない。
「どうする? どうする? どうする?」
「大丈夫。ハジメ子は必ず成功するよ。私が保証する」
「どうして保証できるのさ?」
「イチゴ村の再建に失敗したら私と結婚する予定がある」
そういえばそうだった。ハジメは思った。もし仮にイチゴ村の再建に失敗したら、若い男の少ないこの世界で、責任をもってイチエと結婚しなければならない。
ハジメの目標は魔女になること。そして、魔王を倒すこと。帰国子女が男性でも言えるように魔女は男でも通用する。まず、お金を貯めて魔女の学校に行き、魔女になるのだ。
そういえばなんでマーケティングをしているんだっけ? と思い返す。
ハジメを助けてくれたイチゴ村への恩返しだ。
わざわざ王国への留学費を負担してくれたイチゴ村を再建しなければならない。と、同時にお金を稼ぐ。魔女の学校に行くのだ。
モチベアップ。やる気が湧いた。
「よし。俺はやるぞ。転売で軍資金を稼いでやる!」