冒険者クルトの苦悩譚 《最強のスキルなんていらなかったのに…》
この世界では〈ステータス〉と〈スキル〉によって人生が決まる。
特に〈スキル〉は、人格や外見にまで影響を及ぼすほど強力なものや、習得に数十年と掛かるものも存在する。
その〈スキル〉の中でも他と一線を画す《固有スキル》と呼ばれるものも存在する。
同時代に同じ《固有スキル》を所持する者はなく、まさに唯一無二の〈スキル〉。その能力は全てが規格外なものであり、授かった者たちの多くが後世に名を残した。
しかし、強力な〈スキル〉の中にはその能力の代償に、高すぎる使用条件、使用後の反動、使用制限などが付きまとう。それは《固有スキル》も例外ではない。
ここに一人の不幸な青年がいる。
名を〔クルト・ブレキハング〕。
【シュヴァイゲン帝国】にて生を受けた彼は、ある時まで順風満帆な日々を送っていた。裕福な家庭で生まれた彼は、両親や兄姉、祖父母や使用人と彼を囲む者達により深く愛されて育った。…そして、すっかりと自堕落な性格となり、成人後は実家の援助で悠々自適に過ごそうと思い始めていた矢先。
運命の時が訪れた。《固有スキル》の発顕である。彼の”それ”は特に強力であり、且つ稀有な能力だった。この《固有スキル》に彼は喜んだ。…しかし、それは最初だけ。彼はまだ知らなかった、この《固有スキル》の恐ろしさを…
これは〈スキル〉に振り回され続け英雄となった、一人の青年と仲間たちの物語。
特に〈スキル〉は、人格や外見にまで影響を及ぼすほど強力なものや、習得に数十年と掛かるものも存在する。
その〈スキル〉の中でも他と一線を画す《固有スキル》と呼ばれるものも存在する。
同時代に同じ《固有スキル》を所持する者はなく、まさに唯一無二の〈スキル〉。その能力は全てが規格外なものであり、授かった者たちの多くが後世に名を残した。
しかし、強力な〈スキル〉の中にはその能力の代償に、高すぎる使用条件、使用後の反動、使用制限などが付きまとう。それは《固有スキル》も例外ではない。
ここに一人の不幸な青年がいる。
名を〔クルト・ブレキハング〕。
【シュヴァイゲン帝国】にて生を受けた彼は、ある時まで順風満帆な日々を送っていた。裕福な家庭で生まれた彼は、両親や兄姉、祖父母や使用人と彼を囲む者達により深く愛されて育った。…そして、すっかりと自堕落な性格となり、成人後は実家の援助で悠々自適に過ごそうと思い始めていた矢先。
運命の時が訪れた。《固有スキル》の発顕である。彼の”それ”は特に強力であり、且つ稀有な能力だった。この《固有スキル》に彼は喜んだ。…しかし、それは最初だけ。彼はまだ知らなかった、この《固有スキル》の恐ろしさを…
これは〈スキル〉に振り回され続け英雄となった、一人の青年と仲間たちの物語。